プロフィール
・名前 T.T
・年齢 24歳
・留学時の学年 23~24歳(大学4年次)
・留学先の学校・学部(コース)名 国立台湾大学語文中心
誰もが知る台湾大学の超有名図書館。留学中はほぼここで勉強していました。
・留学期間
2018年夏学期~2019年冬学期 約9ヵ月間
留学の動機
・中国語を学ぼうと思ったきっかけは何ですか?
大学進学を機に第2言語として履修したのがきっかけです。
中国語を選んだ理由は2点あり、コンプレックスの打破と将来のスキルのためです。
実は私は日本と台湾のハーフなのですが、日本語のみの環境で育ってしまい、中国語を全く話せませんでした。
しかし、華人の親戚たちは話せるため、一緒に集まった時は非常に気まずく、もどかしい気持ちを幼少期から感じていました。
それに加え、名前が「高」と日本では珍しいことから、中国人と勘違いされ、話せないことに対し馬鹿にされることがありました。
「何とか見返したい、話せるようになりたい」と思い、学習を始めたのが最大の理由です。
またこれからの時代、グローバル化の流れはますます加速しています。
英語は出来て当然!+αで何かできなきゃ他者と差別化が図れない!そこで思いついたのが中国語です。
ビジネスにおいても絶対に必要だと考え、少しでも触れておいた方が将来必ず役立つと考えました。
・留学先に台湾を選んだ理由を教えてください!
私が台湾を選んだ理由は以下の三つのポイントからでした。
1・繁体字の中国語が学べる、台湾人の友人がいる
台湾は繁体字を使っています。
大学では簡体字で勉強していたので、繁体字もマスターしたいと思いました。
また、台湾留学前はフィリピンのセブ島にて英語留学をしていました。
その時の語学学校で台湾人と交流をしたことで、本場の地で中国語を勉強したいと強く思いました。
2・親日で自分にルーツがある
以前から台湾は日本人に対して優しく、好意的であると聞いていました。
自分が日台ハーフなこともあり、自分の半分の文化に触れたいとも思っていました。
台湾人の親戚も住んでおり、困ったことがあれば助けてくれる環境もありました。
3・周辺環境
中国大陸は規制が厳しく、LINEやFacebookなどのSNS媒体が使えないと北京に留学していた友人から聞いていました。
また、先入観ですが大気環境が悪く、有事の際は怖いと漠然としたイメージがありました。(勿論、今はそんなイメージはありません。笑)
その反面、台湾は自由な環境なため家族・友人とのやり取りに困らないだろうと考えていました。
留学の準備について
・通っていた学校を選んだ理由は何ですか?
他の語学学校と違い、1クラス最大7人までの少人数制度が最大の魅力でした。
他校だと10~15人のクラスもあり、初心者クラスほど人数が増える傾向があるそうです。
また華語奨学金生の半分がここを選択するらしく、真面目に中国語を勉強する学生さんが多いだろうとも思いました。
あとは最高学府であるので、全体的に講師の質にも期待していました。
履歴書を書くにおいても、箔が付くので良い選択だったかなとは思います。
・留学の手配はどのようにしましたか?
全て自分で手配しました。出費は抑えたく、できることは自分でやりたいと思ったからです。
複数のエージェントや台湾留学経験者・在住者の方のブログから情報収集をしていました。
正直に言うと、大体の事は自分で何とかなります。
ただ、住居に関してはややハードルの高い場面もあるかもしれません。
寮のない学校の語学留学生は自分で住まいを確保しなければなりませんが、1人で家を探して、大家に連絡し、見学をして、契約するのは骨の折れる作業かと思います。
・留学にかかった費用はどれくらいでしたか?
総計で135万円前後くらいです。家計簿をつけていたので大体この金額かと思います。
当時のレート1元=3.7円で算出します。
学費38.000元(夏秋冬平均)×3期分+教科書代1200元×4冊=120,000元
生活費月平均19000元×9=170,000元
航空チケット代、海外保険、ビザ延長費などの手数料 40,000元
家賃(光熱費含む)月4,000元×9ヵ月=35,000元
合計 365,000元
日本円換算:約135万円
※生活費は食費、生活用品、交通費、趣味娯楽費、衣服、旅行を指します
月間平均内訳
食費9,000元、生活用品5,00元 交通費1,800元、娯楽費6,200元、その他1,500元
私の場合、家賃が激安、衣服はほぼ買わない、1日2食生活など一般の方とは違った生活を送っていたため、参考にならないかもしれません。
ですが、これに+20~30万円は更にかかると見込んでください。
台北市の語学学校に通うならば、最低限この程度は必要だと考えればいいと思います!
留学中の生活紹介
・留学中の一日(学校がある日)のスケジュール
3学期連続で12時開始の授業をとっていました。
07:30 起床 準備
08:00〜09:00 軽食 家を出る
09:00〜11:00 到着 図書館で宿題or復習予習
11:00〜 学内で昼食 時間余れば自習
12:00〜15:00 授業
15:00〜18:00 同級生と昼食、お茶、雑談。図書館で宿題or予習復習
18:00〜19:00 夕食
〜20:00 帰宅
21:00〜 自由時間 就寝
雨の日も風の日も通った大樹木が生える大通り。もう何回通ったか覚えていません。
秋季班のクラス 授業中に誕生日を祝ってもらえるなんて夢にも思わなかったです!
留学最後の冬季班クラス これほど勉強した時期はないと自負しています。
・留学中の住居スタイルを教えてください!
父の友人宅の一室を借りて住んでいました。
家賃は破格の価格4,000元だったので、かなり出費は節約できたかと思います。
私の周りでは、台湾の親戚・恋人宅に居候する派と一人暮らしの部屋を借りる派で分かれていました。
一人暮らしをする場合は、台北市内だと月10.000元以上はかかる場合が多いと思います。
ルームシェアでも一人暮らしと同じ家賃のことも少なくないので、プライベートの時間を持ちたい方は、一人暮らしをお勧めします!
家の近くの市場。早朝になると「THE・台湾」感が味わえます(笑)
私の間借りしていた部屋です。台湾は湿気がすごいので洗濯物に要注意です!
徒歩30分で通える南機場夜市は台北で最も安く、ローカルフードがうまい!
・部活やサークル、できるビザの場合はアルバイトなど、授業以外ではどんな活動に参加していましたか?
部活・サークル活動はしていません。
語学学校では、必ずしも現地学生との交流イベントが設けられているとは限らないので、自ら積極的に動くことが大切です。
アルバイトも学生ビザの為、する機会はなかったです。
中国語の勉強に集中したかったため、ワーキングホリデービザは申請しませんでした。
中にはそういったビザ制度を利用し、アルバイトと語学勉強を並行している人もいますが、仕事の疲れから、授業を欠席したり、勉強に遅れたりなどしている場面も見かけました。
人それぞれ目的が違うため、一概に何がいいとかは言えません。
ただ語学勉強は進めるにつれ、難しくなり勉強量も比例すると肝に銘じた方がいいと思います。
・毎日の食事はどうしていましたか?お気に入りのご飯屋さんなどぜひ教えてください!
平日は学食、土日は近所のレストランが基本スタイルでした。
通常、台北市内のレストランで食事すると100元前後はかかりますが、大学内ならどれだけ食べても平均70~90元で収まるので、節約のため昼・夕飯は学校で済ませていました。
土日は授業がないため、近所のご飯屋さんを散策することが多かったです。
私が住んでいた青ラインの龍山寺から30分ほどの果菜市場エリアでは、軽食ブランチ系のAP203Barさんとチキン屋奇肯さんをオススメします!
AP203Barさんは、洋・中のテイストを混ぜたチェーン店です。
このお店の魅力はジャンルの多さと人の良さです。
1食大体90~120元の値段で台湾の一般的な朝ご飯からサンドイッチやハンバーグの軽洋食といった幅広いジャンルを網羅しています。
とても美味しく、お店の人たちも非常にやさしかったです。
帰国する時には、ご飯をタダでご馳走してくれました(笑)
家族・友人に一番オススメしたいお店です。
店内の様子。席数が少なめなので、空いている時間帯によく行っていました。
メニューの一部。コストパフォーマンスが最強で、留学生の私には助かりました(笑)
もう一つオススメの奇肯さんは、個人経営の一般的なチキン屋さんです。
ですが、チキンの味は台湾で1番美味しいと言っても過言ではないかもしれません(笑)
また、値段も台北にしては大変リーズナブルで、チキン3本でたったの100元。
店員さんもフレンドリーです。
持ち帰り専門店のチキン屋さん。多すぎていつも選ぶのに悩んでました。
もしお時間があれば、是非立ち寄ってみてください!
・留学中に困ったことや、または嬉しかったこと・楽しかったことなど、何か一つ印象的なエピソードを教えてください!
ATMを使う時にカードが詰まってしまい、困り果てた時がありました。
しかも夜中で、隣接する銀行も閉まっており、電話でカスタマーサービスにかけても、その状況が中国語で上手く説明できず、どうしようもない状況でした。
そんな中で、偶然ATMに立ち寄った台湾人のおじさんが私に代わって電話を取り、状況を説明してくれました。
そのあとは無事に銀行の人が来て修理してくれました。
安堵し台湾人の優しさに感謝するとともに、自分の無力さを思い知らされた瞬間でした。
これから留学しようか迷っている人にメッセージ
・台湾に留学して良かったこと
中国語力の向上と、異文化理解に対する柔軟さが身についたことです。
中国語能力については、最初は「ニーハオ」しか言えませんでしたが、最後には台湾人と普通に話せるレベルまで到達しました。
帰国後は中国語検定2級にも合格し、非常に満足しています。
語学学校では、世界中の人たちが集まるので、それぞれ特徴のある彼らの価値観・習慣などに刺激を受けます。
留学前はドメスティックな人間でしたが、今は将来海外で暮らしていきたい気持ちが強いです。
・留学前に準備しておけば良かったと思うこと
中国語のインプットです。
基礎的な単語・文法はおさらいすべきだったなあと反省しています。
私は大学3年間、第2言語として中国語選択していて、中国語検定4級はもっていたので大丈夫だろうと高を括っていましたが、それでも詰め込みに半年近くかかったので、勿体ない時間だったと悔やんでいます。
留学を検討するならば、その前に中国語検定3級もしくはHSK5級を取得できるレベルまで勉強した方がいいかもしれません。
・台湾で生活するコツ・考え方のアドバイス
いろんな人と会話をし、視野を広げてみてください。とにかく先入観を捨て、失敗を恐れずに挑戦することが大事です。
短期、中長期問わず、これだけは言えます。
失敗を恐れていては、現状は変わらないままで何の意味もないです。言語と生活、両面で言えることです。
外国にいるメリットをたくさん活用して、具体的にはご飯屋で隣に座った人に話しかけるとか、言語交換会に参加するとか、なんだったらナンパでもいいです(笑)
悪い意味で言っているのではなく、新しいことに挑戦しなければ自己成長に繋がりません。失敗なくして、次に活かせません。
私は課外活動・言語交換会に参加したり、放課後はクラスメイトと遊ぶなどしていました。
それだけでなく、言語アプリで知り合った人と言語交換とか夜のクラブ・バーに行ったり(笑)超インドア派の私でも、こうした活動ができるのですから、皆さんにもできるはずです!
留学中の日本人との付き合い方としては、バランスよくできればいいのではないでしょうか。
生活・勉強の悩み事や困ったことを相談できる相手がいると心強いです。
特に初心者の段階だと、全てに右往左往するので、手助けしてくれる日本の友人がいた方が良いかもしれません。
・留学中にもっとしておけば良かったと思うこと
台湾人ともっと交流すればよかったと思います。前段でも書きましたが、インプット作業に没頭するあまり、現地の人と話す機会が少なかったと思います。
半年経った段階でやっと話せる程度まで来たので、その時間を別のことに活かせたらどれだけ良かったことか…。
「台湾人と話せる」という一番のメリットをフル活用できなかったのは、唯一の心残りです。
アウトプットに入り、これからもっと伸ばしていくぞ!と思った時点ではもう残り3カ月しかありませんでした。
・帰国後の台湾との関わり方
帰国後も、言語交換アプリを利用し中国語力向上を図っています。
また、SNSを利用して在台湾の友人と交流は続けています。
私事ですが、現在、台湾へ留学検討している人を支援したいと思い、就職活動をしています。
留学した以上、何か台湾に関わる仕事はしたいのは譲れないです。
今こうして台湾留学経験の記事を書いているのも、そんな気持ちの表れかもしれません。
必ず目的を明確化してから、留学してください!
なぜ留学したいのか?どうして台湾なのか?どう効果が表れるのかなど理由を突き詰め、多角的に分析してください。そうすることにより後悔のない留学生活は送れます。
迷ったら、自分を信じ行動するのみです。
留学をしたことに対する後悔は一切ありません!
悩む暇があるなら、とにかく動くこと。しない後悔よりする後悔!
とにかく語学を上達させることや楽しみながら現地生活を体験することなど、留学には人それぞれ目的あり、到達満足度は違います。
その中で、自分はここだけは譲れないという信念をもち、目的を常に意識してください。
語学能力を一番に考えているのであれば、友人・環境に流されないようにしましょう。
そうすれば悔いのない留学生活がきっと送れるはずです。あなたの留学生活が実りあるものであるように切に願います。