天のなせる技!澎湖海洋地質公園の奇観を全て収録。VR技術を利用し、島の秘境へ

台湾離島
1999年、国連の教育科学文化機関(UNESCO)が地球全体の景観保全を提唱したことにより、多くの国家が代表性や希少性、特殊性や代替不可能性に富んだ地質公園(ジオパーク)の設置に乗り出しました。「景観保全」を浸透させ、「環境教育」を根ざし、「景観観光」を普及させ、「地域社会への参加」を創造するといった4つの革新的価値を期待し、自然と人間社会の維持が行われています。

地質公園の存在意義とは?国家(国立)公園と何が異なるのか?

地質公園(ジオパーク)が誕生したことで、人々は景観の美しさを味わい、大地を守り、社会と環境との調和がとれた目標を達成することができます:ノミネートと認証を経て地質公園は「世界ジオパーク」となりえます。世界ジオパークネットワーク(Global Geopark Network, GGN)を構成し、共同で特別な地質と意義をもつ景観を保護します。

澎湖海洋地質公園にて(澎湖國家風景區管理處より)

台湾初の地質公園は、2004年に農業委員会林務局協力のもと、雲林県政府と住民が、土砂災害の景観をメインにした「雲林草嶺地質公園」を設立しました。2011年は地方クラスの「馬祖地質公園」、玄武岩の景観と海洋生態の指導で有名な「澎湖海洋地質公園」、台東「利吉泥岩悪地地質公園」、高雄「燕巣泥岩悪地地質公園」など4つの地質公園が、手本を示す場所として次々と推進されました。その後、観光局国家風景区管理処が設置した「野柳地質公園」や北海岸「鼻頭龍洞地質公園」、「雲嘉南浜海地質公園」や東部海岸「富岡地質公園」と結びつき、2011年に台湾地質公園ネットワーク(Taiwan Geoparks Network, TGN)を組織し、台湾の貴重な景観を守っています。

台湾地質公園ネットワーク(TGN)(馬祖地質公園深度旅遊網より)

多くの人が「地質公園」についてよりも「国家公園」について知っており、意外にも地質公園の守る分野の意味を知りません。地質公園と国家公園の違いは、国家公園が1972年に採択された『国家公園法』を適用し、国家に特有な自然風景や史跡、生態系を守り、娯楽・休息の機能を提供しているのに対し、地質公園は、2016年に新しく自然景観のカテゴリーを増やした後の『文化資産保存法』を適用し、地質という特殊な資源を固定し、歴史をより長く、生物がまだ進化する前まで遡り、大衆の社会参加を通じて、地方振興をつくり出している点です。

澎湖海洋地質公園」の奇妙な世界に入る

1700万年前、インドプレートとユーラシアプレートの衝突や分裂は、火山の噴火を誘発し、玄武岩の溶岩は割れ目にそって、大量に地表に湧出し、蓄積および冷却後、次第に火山地質で有名な澎湖諸島を形成しました。マグマが地層から押し出され陸地を形成するまで、海の波と風の侵食を受け、澎湖の不思議な岩質奇観を作り出し、さらに岩石には歴史の記録があることを裏付けました。

澎湖海洋地質公園の様子ー桶盤嶼 (澎湖國家風景區管理處より)

2001年初め、澎湖県政府は林務曲の景観保全政策により、小門嶼、奎壁山、桶盤嶼、吉貝嶼、七美嶼、望安島などの地質環境調査および景観レジャー計画を完成させ、2005年に「台湾地質公園ネットワーク」の政策推進に加わり、『文化資産保存法』に基づき、馬公、西嶼、望安、七美、白沙、湖西などの1市5郷および周辺の潮間帯地域を含む澎湖全体で、「核心地景保育(=景観保全)区」(玄武岩自然保存区、天然記念物・海鳥保護区、アオウミガメ産卵生息地保護区を含む)と「環境教育区」(自然地質景観や重要景観、国家重要湿地を含む)を設立し、「澎湖海洋地質公園」を立ち上げました。2012年には、国際的にも認められ、正式に世界で最も美しい湾クラブ(The Most Beautiful Bays in the World, MBBW)に加入しました。

室内施設「澎湖海洋地質公園センター」で澎湖の特色ある風景をすべて収録

澎湖の貴重な地質の特色を残すため、2009年、澎湖海洋地質公園に「澎湖海洋地質公園センター」が開館しました。澎湖の地質や特殊な地形を展示する以外に、澎湖の自然保護区や猫と海の保護区、七美石器工場の分布図、澎湖の地質年代表、世界各国の地質公園、台湾の地質公園、石材を使った生活、玄武岩の紹介などさまざまなテーマの展示が行われています。さらに、視聴室ではその環境を経験することができ、文化や生態、教育や知識性を兼ね備えています。澎湖の地質の重要な事柄を理解するだけでなく、その価値や意義を深く理解することができます。

澎湖海洋地質公園センターの外観(澎湖國家風景區管理處より)

面白いのは、澎湖海洋地質公園センターは、静かな展示ゾーンだけでなく、2021年にはVRテクノロジー、動く椅子、そして360度動画の撮影技術を結合し、「揺れ動くVR体験シアター」がつくられたことです。水面がキラキラとひかり、神秘的な青い洞窟に入っていくような体験型コンテンツの中で、動く椅子にのり、VRゴーグルをつけます。360度壮麗な景色に入るこのコンテンツは、旅行客の人気を集めています。

VRを体験する様子(澎湖國家風景區管理處より)

国際的な視点から、澎湖海洋地質公園センターで地質風情を満喫できる

大自然の天がなした技は、澎湖のとりわけ恵まれた姿をつくり出し、台湾いち古い火山の地質景観となりました。「澎湖海洋地質公園センター」は澎湖全体の地質資源を収め、玄武岩と地質生成の神秘を明かしています。この場所に来るだけで、時空を飛び抜け、澎湖の歴史や生活、地学や人文を全て経験することができ、さらに国境を超えて、世界各地の異なる地質公園の精髄を目にすることができます。台湾の人が来訪するだけでなく、地元の人が自ら体験、認識し、島の故郷にアイデンティティを感じることを心待ちにしています。澎湖の内包するものとその価値が世界レベルまで登りつめ、国際的に人気な世界遺産、名に恥じない「世界で最も美しい湾」となることを期待しています。

 

作者:Pobbi Wang
出典:

鬼斧神工!澎湖海洋地質公園奇景全收錄.結合VR科技穿梭島嶼秘境-遊譜YOUPUT
1999年,因聯合國教科文組織(UNESCO)對於全球性地景保育的提倡,許多國家開始投身設置富含代表性、稀有性、特殊性、不可取代性的地質公園,期望透過「地景保育」,紮根「環境教育」,推廣「地景旅遊」,創造「社區參與」等四大核心價值,維護自然與人文環境。-遊譜YOUPUT網站

 

タイトルとURLをコピーしました