台湾グルメの代表格とも言える「魯肉飯(ルーローハン)」。とろりと煮込まれた豚肉の旨み、甘辛の醤油ベースの煮汁、八角など香り豊かなスパイスが白ご飯と絡み合い、台湾の屋台から家庭まで愛されてきた定番メニューです。
近年では日本でも魯肉飯をはじめとした台湾グルメを提供するお店が増えており、同時に手軽に本格的な台湾の味を楽しめるレトルト製品も続々と登場しています。
その中でも、今回紹介したいのは、なんちゃって台湾風ではなく、台湾本場のお店が提供するガチのレトルト魯肉飯3ブランド『鬍鬚張魯肉飯(ひげちょう・ルーロウファン)』『BoilingPoint/沸點(フェイディエン)』『五燈獎魯肉飯(ウーデンジャン・ルーロウファン)』。
さらに、日本で台湾の味をもっと楽しみたい! という台湾ラバーガチ勢のために、最近やっと日本でも買えるようになった美味しくてコスパも最強の台湾米『三光米』と合わせて “自宅で楽しむ台湾本場のレトルト魯肉飯”を紹介します。
台湾本場のレトルト魯肉飯(ルーローハン)
ごはんが何杯もススむ!じっくり煮込み『鬍鬚張魯肉飯』

台湾・台北市の路地裏の小さな屋台から始まった『鬍鬚張魯肉飯(ひげちょうルーロウファン)』。1960年の創業以来、60年以上にわたって台湾全土で愛され続ける老舗ブランドです。
当初は「路地裏の庶民飯」だったものが、1979年には台北の寧夏路に支店を出し、1990年代には台湾で全国展開、さらには日本にも進出するという、いわば「台湾庶民小吃をチェーン化・ブランド化」したパイオニア的存在でもあります。 創業者・張炎泉氏の“毎日食べたくなる庶民の味”という想いを受け継ぎ、現在では台湾を代表する魯肉飯チェーンとして知られています。

ブランド名「鬍鬚張(ひげちょう)」の由来も面白く、創業者が店頭で忙しく働くあまり髭を剃る時間がなかったことから、お客から「鬍鬚張(ひげちょう)」と呼ばれるようになり、それがそのまま屋号になったという逸話があります。
魯肉飯の特徴は、“小火で6時間以上じっくり煮込む”という煮込み時間にこだわったコラーゲンたっぷりの豚のほほ肉と醤油ベースの秘伝タレ。かなり濃厚な味付けでご飯が何杯も進みますが、八角の香りは控えめで、日本人にも食べやすいまろやかな口当たりが魅力。一度食べたらまた食べたくなるクセになる味わいで、台湾で人気の理由にも納得です。

日本には現在、石川県の金沢に店舗があるので観光と合わせて行ってみるのもよし。
レトルト魯肉飯はお店の公式通販サイトからいつでも購入することができます。
豚肉・具材・タレの最強黄金比『BoilingPoint /沸點』

次に紹介したいお店は、台湾の人気火鍋チェーン『BoilingPoint/沸點(ボイリングポイント/フェイディエン)』の「黄金魯肉飯」。台湾国内では「火鍋」や「麻辣系料理」で人気を博していますが、サブメニューにも一切手を抜かず、こだわりの詰まったレトルト魯肉飯は、その味のクオリティの高さが評判になっています。
ブランド名の通り、黄金色のタレが具材を包み込んでいて見た目にも食欲をそそります。脂のとろみはありつつも、さっぱり後味は軽やかで、甘みと塩味のバランスが絶妙。豚肉の旨みを引き立てるよう、椎茸や揚げエシャロットなどの具材もからんだ多層的な味が特徴です。

また、調理工程で「油脂を分離させて旨みを凝縮する」手法が用いられており、これによってご飯にかけた時の「とろり感」「香り立ち」が強化されています。まろやかな口あたりで、ヘルシーかつ優しい味わいの魯肉飯が好きな人にぴったりの一品です。
日本には現在、東京と神戸に店舗があるほか、アメリカやカナダなど世界中で愛されています。
『BoilingPoint / 沸點』東京・渋谷店は、美麗(メイリー)!台湾×統一超商東京マーケティングの企画「OPENちゃんのTAIWAN美味認定」でも紹介されました。
レトルト魯肉飯は店舗で購入することができます。公式通販サイトにて販売予定なので、お楽しみに!
濃厚ぷるぷるの皮肉がクセになる『五燈獎魯肉飯』

最後に紹介するのは、台湾北部を代表する名店で三重発祥の老舗『五燈獎魯肉飯(ウーデンジャン・ルーロウファン)』。
1981年に新北市の三重・自強路に屋台を開いたのが始まり。名前の由来は、創業者の娘が人気テレビ番組「五燈獎」で連勝したことから。店主の人情味あふれるストーリーも相まって、地元で長年愛される存在となっています。

この魯肉飯の魅力は、なんといっても濃厚で香ばしいぷるっぷるの皮肉。独自の調味料を加えた醤油ダレを毎日火にかけ、細火でじっくり煮詰めることで、艶やかでとろみのある魯肉ソースに仕上がります。
レトルト版も本店の味を忠実に再現しており、肉は脂身が多めながらも嫌な重さはなく、舌の上でほろりと崩れるような柔らかさ。口いっぱいに広がる甘辛ダレの濃厚な旨みは、まさに“台湾夜市の味”。

シンプルながらもボリューム満点で、レトルトとは思えない満足感があり、台湾フードファンの舌をうならせます。脂が多めのお肉と、とろり・ねっとりとした食感の魯肉飯が好きな方におすすめです!
現在は、日本の誠品生活日本橋にてレトルト版を購入することができます。
日本での台湾イベントにも積極的に出店しており、今後の日本での展開に期待大です。
日本で買える台湾米
日本米に負けず劣らず、コスパも最強の台湾米『三光米・月の銀シャリ』

魯肉飯の美味しさを左右するのは、実は “ご飯” 。
そこでおすすめしたいのが、台湾のプレミアム米ブランド『三光米』が誇る「月の銀シャリ」です。
『三光米』は、台湾中部の豊かな水源と日照に恵まれた平原で育てられる高品質米で、台湾国内でもトップクラスのブランドとして知られています。その中でも「月の銀シャリ」は、台湾の伝統製法と最新技術を融合し、粒立ち・香り・粘りの三拍子がそろった極上の食味を実現。炊き上がりは透明感があり、噛むたびにほんのり甘みが広がります。

実は今回、魯肉飯を食べ比べるついでに、日本と台湾のお米も味の食べ比べをしてみました。結果として、個人的には忖度なしで台湾のお米で食べる魯肉飯のほうが美味しく感じました。粘りすぎず、かといってパサつかない理想的なバランスの台湾米。つゆだくのタレに負けず、お米の食感がしっかり残るため、魯肉飯との相性が良いと思いました。どのブランドの魯肉飯にも合いましたが、特にタレの味が濃厚でどろっとした食感の『鬍鬚張魯肉飯』との相性がバツグンに良く、「魯肉飯は飲み物!」と思えるほどにレンゲを持った手が止まらず、ご飯が驚くほどに進みました。
『三光米』の「月の銀シャリ」は日本でもオンラインより購入可能で、販路も広がっています。
また、日本でお米の価格が高騰していることもあり、日本米と台湾米の価格がほとんど変わらないというのにも驚き。家庭で台湾本場の魯肉飯を味わうなら、3ブランドのレトルト魯肉飯×月の銀シャリの組み合わせが断然おすすめです。
王道の香ばしいタレでご飯が止まらない『鬍鬚張魯肉飯』。
豚の旨みと香りが織りなす絶妙な黄金比『Boiling Point/沸點』。
皮付き肉のとろけるコクが至福の『五燈獎魯肉飯』。
どの一杯も、台湾の屋台で感じたあの幸せな香りと味を蘇らせてくれます。
あなたは、どの魯肉飯から試してみたいですか?
本格レトルト魯肉飯と台湾米で、おうちにいながら“台湾本場の味”を堪能してみてくださいね。
記事執筆:加賀ま波 (MAHA)
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筆者プロフィール

加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。
2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。
現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。HP・通販/Instagram