台湾東部に位置し、太平洋と内陸の山々に囲まれた花蓮(ホァリエン)。
自然が色濃く残り、台湾原住民族の文化も根付く美しい土地で、県内には約30万人が暮らしています。
2024年4月3日に花蓮沖を襲った地震も記憶に新しい中、今月23日に発生した台風18号の影響で、花蓮県光復郷・馬太鞍渓(マタイアン川)上流の「堰塞湖(せきとめこ)」が決壊。光復郷の市街地に濁流が流れ込み、多くの住民が避難や支援を余儀なくされています。
しかし、いつも驚かされるのは、困難に立ち向かう台湾の人々の団結力。
被災した馬太鞍での「物資は足りている、足りないのは人手」との呼びかけに応じ、市民たちがスコップを手に長靴姿で列車に乗り込み、泥かきボランティアに駆けつけました。その姿は「鏟子超人(スコップ・スーパーマン)」と呼ばれ、瞬く間にメディアで話題に。現地の人々も「光復にこんなに多くの人が来たのは初めて」と驚くほどで、臨時列車は満員となり、今もなお被災地で懸命な支援活動が続いています。
▶ボランティアについての詳細(中央通信社)
▶台湾経済部・最新情報(公式Facebook)
筆者も先月、まさにこの馬太鞍を訪れたところで、知人の自宅が被災。幸い命は無事でしたが、自らも被災者でありながら支援に奔走する姿に胸を打たれます。
こうした災害のたびに、被災地に必要なのは一刻も早い支援と復興。そして「災害を理由に観光客が減ってしまうこと」は、現地の方が望まないことです。
花蓮は南北137.5kmに広がる大きな県でもあり、実際に被災し観光ができないエリアはごく一部の地域。この記事では、今回の被災地にある「花蓮観光糖廠」をはじめ、花蓮を代表する景勝地「太魯閣(タロコ)国家公園」など、自らの足で運び厳選した花蓮の人気観光地15スポットを、災害後の現状とともにご紹介します。
募金で花蓮を応援!

今回の災害を受けて、台湾・日本では様々な団体より募金活動が行われております。
中でも日本からすぐに送金できる「衛生福利部」の海外募金、一般の台湾観光客でも簡単にできるコンビニ募金を紹介します。花蓮へすぐには駆けつけられないけど何か力になれたら……という方は自分に合った募金方法を探してみてくださいね。台湾の衛生福利部公式の上記画像はシェアOKです。
▶画像ダウンロード元:Taiwan Today 日本語版X
▶現地ボランティアについてはこちら
◆衛生福利部(10月24日まで)
日本からの送金も可能です。画像の「海外募金」に該当します。公式サイトはこちら
◆台湾コンビニ募金(10月24日まで)
台湾の四大コンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート、ハイ・ライフ、OK-mart)の情報端末でレシートを出しレジで支払う方法。旅行者でも募金が可能。募金方法
1.【観光NG】花蓮観光糖廠(光復)

1913年、日本統治時代の製糖事業の一環として建設された製糖工場をリノベーションした観光施設「花蓮観光糖廠」。歴史的建物を保存しつつ、展示館や特産品ショップ、人気のアイスクリーム販売所が併設され、多くの人に親しまれてきました。

しかし、今回の災害により「花蓮観光糖廠」のある光復郷が被災地となり、観光客の受け入れは当面難しい状況となっています。
現在、敷地全体は救援活動の拠点として使用され、建物ごとに用途が振り分けられ、国軍や消防、県政府などの救援部隊が効率的に活動しています。さらに、台糖花東区の張兆民(ジャン・ジャオミン)部長や歐竹南(オウ・ジューナン)副部長も交代で常駐し、職員自身も被災者でありながら復旧活動に尽力しているとのこと。その献身的な姿には、ただただ頭が下がります。
復興した際には、必ず再訪したい花蓮の大切な観光地です。

西部の台糖各拠点からも物資が続々と届けられ、一日も早い復興と人々の安全が祈られています。現在、花蓮糖廠は百年の歴史を持つ製糖工場という枠を超え、この地域に愛を集め、ふるさとを守る「希望の砦」としての役割を果たしています。(公式Facebook 2025.9.28)
2.【観光一部OK】太魯閣国家公園(秀林)

花蓮といえば「太魯閣(タロコ)国家公園」。
台湾を代表する絶景スポットであり、国内外問わず観光客に人気のエリアです。しかし2024年4月の大地震では甚大な被害を受け、一時は全面閉鎖となりました。
それから約1年半――復旧はまだ道半ばですが、少しずつ観光できるエリアが戻りつつあります。
◆開放エリア(2025年8月7日時点)
・崇德エリア:清水断崖の展望/日の出鑑賞
・タロコ台地&ビジターセンター:映像/展示ガイド解説
・大同大禮&得卡倫遊歩道:タロコ族集落を歩くハイキング
・天祥地域:塔比多遊歩道、祥徳寺遊歩道など
・西寶以西(合歡山方面):人気の登山ルート一部開放
・山海集落プチツアー:原住民文化や工芸に触れられる
◆通行規制
・關原~天祥:6:00–16:30のみ
・天祥~太魯閣:6:30–17:30に1日5回のみ通行可
・夜間(18:30以降)は全面封鎖
◆安全対策
・閉鎖区域には立ち入らないこと
・午後は天候急変が多いため「早めの入園・下山」を徹底
・出発前に【公路局168即時路況】や【幸福公路APP】で最新情報を確認
完全に復旧するには長い時間がかかるとも言われていますが、遊歩道や景観スポットは防災強度を強化して再開予定とのことです。日々状況が変わりやすいため、行かれる際は必ず公式HPで最新状況をチェックしてみてくださいね。
▶「太魯閣国家公園」の公式HP
3.清水断崖(秀林)

花蓮観光で外せない絶景スポット「清水断崖」。
花蓮県秀林郷の和平から清水までの約22.7kmにわたり、大迫力の断崖絶壁が連なっています。
断崖の高さは海抜800mを超える場所もあり、宜蘭県と花蓮県を結ぶ蘇花公路の中でも最も美しい景観として知られ、台湾八大奇景のひとつに数えられています。この断崖は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートを押し上げたことで形成されたもの。大理石や片麻岩などの岩石が長い年月をかけて雨や風に削られ、現在のような壮大な大理石の断崖が生まれました。
蘇花公路176.4km地点の崇徳トンネル入口そばには展望台があり、清水断崖の絶景を正面から楽しめるほか、清水断崖の海では、SUPに乗って日の出を眺めるツアーも人気。穏やかな海上から断崖を見上げる体験は迫力満点で、花蓮ならではの大自然を全身で味わえます。日本語で予約できるプランもあり、初心者でも安心して参加できます。
2024年の大地震直後は道路が崩落し通行不能となりましたが、復旧工事が進み現在は新しい「下清水橋」が完成。双方向での通行が可能になっています。最新の道路状況は太魯閣國立公園管理処の交通情報案内(日本語自動翻訳あり)を確認すると安心です。
▶地図
▶SUPに乗りながら日の出を見るツアー
4.七星潭(市内)

花蓮の東海岸を代表する景勝地が「七星潭(チーシンタン)」。
弧を描く海岸線の美しさから「月牙湾(ユエヤーワン/三日月湾)」とも呼ばれ、澄みきった太平洋を望む絶景スポットとして知られています。景観保護のため遊泳は禁止されていますが、晴れた日には透き通るコバルトブルーの海が広がり、海辺の散策や、夜の星空観賞の名所としても人気があります。
また、七星潭風景区にはサイクリングロードが整備されており、南濱公園、石彫博物館、賞星広場など人気スポットを自転車で一度に巡ることができます。筆者も花蓮市街地で自転車をレンタルして七星潭まで走りましたが、平坦で道幅も広く、とても走りやすいルート。海風を浴びながら自然の中を駆け抜ける爽快感は格別でした。
▶地図
5.七星柴魚博物館(市内)

前述の七星潭風景区のすぐ隣にある「七星柴魚博物館(七星カツオ博物館)」。
台湾で唯一のカツオ産業博物館として、家族連れや観光客に人気のスポットです。
かつて七星潭一帯ではカツオ漁が盛んに行われていましたが、過剰漁獲や海洋環境の変化により生産量が減少。地元のカツオ工場は閉鎖され、その跡地を活かして博物館としてリニューアルオープンしました。
館内には、カツオ加工の様子を紹介するエリア、カツオ漁の歴史を学べる展示エリア、親子で楽しめるDIY体験エリアがあり、花蓮ならではの漁業文化を体感。お土産コーナーではカツオ節や関連商品も豊富にそろい、地元ならではの特産品を購入できます。
中でも人気なのが、カツオの花削り体験やたこ焼き作り体験。小さな子供から大人まで楽しめる内容で、日本語でDIY体験の予約ができるサイトもあるので安心です。
▶七星柴魚博物館 DIY体験を予約
▶公式HP
6.美崙山公園の入口にいる「花蓮鼠」(市内)

花蓮市内・美崙山公園の入り口でひときわ目を引くのが、地元の人々に30年以上愛され続けてきた公共アート「花蓮鼠(花蓮ネズミ)」。そのユーモラスな姿に、片手でピースサインを決めるポーズ──はじめましてなはずなのに、どこかで会ったことのあるような親しみやすさを感じさせる存在です。
実はこの「花蓮鼠」、もともとは廃棄された軍事用のトーチカ(碉堡)。撤去される運命にありましたが、当時の花蓮市長が予算を確保し、彫刻家・余望秋(ユー・ワンチウ)氏の手によって改装されました。その結果、軍事施設が人々をくすっと笑顔にする公共アートへと生まれ変わったのです。
風雨にさらされ色あせたりひび割れたりすると、花蓮県政府農業処が清掃や再塗装を行っているというのにも愛を感じます。今も地元の市民に温かく見守られながら堂々と鎮座する「花蓮鼠」にぜひ会いに行ってみてくださいね。
▶地図
7.鍾華玉品芸術工坊(吉安)

吉安にある天然石と翡翠(ヒスイ)を扱う工房兼ショップ「鍾華玉品芸術工坊」。
台湾屈指のヒスイ産地である花蓮ならではのスポットで、職人の指導のもとアクセサリー作りのDIY体験ができる隠れた名所です。
工房では、産地や色合い、さらには開運効果まで異なる7種類の石が用意されており、好みの石を選んで自分好みのオリジナルアクセサリーを作ることができます。石の形も、ハートや丸、三角、勾玉などさまざま。今回は迷わず「台湾型」をチョイスし、タロコ渓谷で採れる可愛いピンク色の「太魯閣玫瑰石(タロコバラ石)」と、花蓮の平和を祈って緑色の紐を合わせました。

一見すると難しそうに見える作業も、実際にはすでに形の整った石を研磨機で磨くだけ。危険な工程は職人が担当してくれるため安心です。DIY体験にかかる時間は20分ほど、石や紐を選ぶ時間を含めても所要約1時間。小さなお子様でも気軽に参加することができるので、遠方からわざわざ来たというファミリーもいました。
アクセスは、花蓮駅から鉄道で1駅の吉安駅から車で約6分。市内からも訪れやすい立地です。帰り際にはスタッフが「タクシー呼びましょうか?」と気遣ってくれるなど、人の温かさも心に残る体験となりました。
予約は公式Facebookからメッセージを送るほか、営業時間内であれば直接訪問も可能。「KKday」などのオプショナルツアーサイトを通じれば、日本語での予約もできるので安心です。
▶公式Facebook
▶日本語予約はこちら
8.花蓮文化創意産業園区(市内)

台湾が推進する5大文化創意産業園区のひとつ「花蓮文化創意産業園区」。ここは約100年前に建てられた酒造工場をリノベーションし、2011年に一般公開された文化複合施設です。戦時中に建物の3分の2が破壊されながらも、敷地内には当時の工場や倉庫、職員宿舎が残され、現在は展示会場やカフェ、レストランとして再利用。レトロな建築と現代的なショップが並ぶエリアとして、花蓮の文化発信を担うスポットになっています。
休日には展示会やコンサート、手作りマーケットなど多彩なイベントが開かれ、多くの人でにぎわうのも魅力。昨年7月に訪れた際は、地震の影響もあってか往時の活気は薄れ、落ち着いた雰囲気に包まれていました。それでも、営業を続ける店舗やカフェでは、友人と語らう人、一人で静かに読書を楽しむ人の姿が見られ、文化空間としての息づかいを感じます。
週末には期間限定の展示やイベントも盛んに開催され、再び観光客が戻りつつある様子。訪れる際には公式サイトやSNSで最新の催しをチェックして旅の充実度をUPさせましょう!
▶公式HP
9.東大門夜市(市内)

花蓮市の夜を楽しむなら外せないスポット「東大門夜市」。
面積9ヘクタールを誇る広大な夜市で、「福町夜市」「自強夜市」「大陸各省一條街」「原住民一條街」の4つの通りで構成され、400以上の屋台が軒を連ねます。
ここでは花蓮ならではの特産物を使ったB級グルメや原住民料理を味わえるだけでなく、夜市ならではのゲームや音楽ステージも豊富。美味しい香りと歌声が至る所から漂い、訪れる人々を魅了します。

昨年の地震直後には観光客が激減し、シャッターを閉めるお店も少なくありませんでした。しかし、先月訪れた際には徐々に観光客の姿が戻りつつあり、かつての賑わいにはまだ及ばないものの、夜市ならではの温かい雰囲気は健在でした。ステージでの歌や路上パフォーマンス、原住民の方々の歌声に耳を傾けながら、路上ステージで歌うお兄さんに投げ銭をして(笑)、台湾の人気バンド「五月天」の曲をリクエストするなど、花蓮ならではの交流を楽しむこともできます。花蓮に訪れたら一度は足を運ぶべき、唯一無二の夜のお楽しみスポットです。
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10.花蓮の2大スターバックス(吉安/寿豊)

花蓮には、観光客にも地元の人にも人気のユニークなスターバックスが2店舗あります。どちらもカフェ好きならぜひ立ち寄りたい超・映えスポットです。

吉安郷にある「洄瀾店」は、建築家・隈研吾氏が設計を手がけた、コンテナを積み重ねたユニークなデザインが特徴。アジア初のコンテナ型スターバックスとしても知られています。
環境にも配慮されており、リサイクルされた輸送コンテナ29個を使用。ドライブスルーも備え、花蓮の新たなランドマークとして、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
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寿豊郷の「花蓮理想店」は、花蓮理想大地渡假飯店(リゾートホテル)内に位置。ヨーロッパの童話に出てくるような可愛らしい建物が目を引きます。
店舗の裏手には壮大な運河が広がります。秋から冬にかけては庭に植えられた落羽松(ラクウショウ)が黄色く色づき、湖面に移る姿が絶景ポイント。まさに花蓮の隠れたリゾートスポットです。
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11.馬羅山ハンター学校(吉安)

花蓮市のお隣・吉安市にある「馬羅山ハンター学校」では、台湾原住民・アミ族の文化をまるごと体験できます。子供から大人まで、ディープな台湾文化に触れられる人気スポット。
◆体験できるプログラム
竹筒飯づくり:アミ族の伝統料理づくり
狩り体験:自然の中で本格的な狩りを体験
衣装試着:カラフルな伝統衣装を着て写真撮影
小米酒体験:自分で焼いた手羽先と一緒に、アワ酒を味わう大人向けの体験も

一緒に参加したのは、台北から旅行で参加したという台湾人の家族。父は狩りに本気になり、母と娘は衣装に夢中。親子で「こんな体験はじめて!」と大満足の様子でした。
▶もっと詳しく見る【台湾原住民族を学ぼう② 】アミ族編:台湾野球の快挙を支えた「アミ族」の文化に迫る!
▶ 予約はこちら
12.原住民族料理体験 佳藍科キッチン(市内)

「食べるだけじゃ物足りない」「自分で原住民族料理を作ってみたい!」という方にぴったりなのが、花蓮市内にある 「原住民族料理体験 佳藍科キッチン」 です。
花蓮で採れた新鮮な山菜や豚肉、原住民族ならではの調味料を使用し、原住民族出身の先生が料理の手順やコツを丁寧に教えてくれます。最後には作った料理を盛り付け、その場で試食!
レッスンは中国語で行われますが、旅の思い出作りや、家族・友人との体験型観光におすすめの体験プランです。
▶ 予約はこちら:佳藍科キッチン体験
13.新社香蕉糸工坊(新社)

新社区にある「新社香蕉糸工坊」は、クバラン族が受け継いできたバナナ繊維工芸を体感できる工房です。
2階建ての建物は、1階が作業場、2階が体験教室兼ショップ&ギャラリーとなっており、繊維を削り出す工程を間近で見学したり、完成した工芸品を手に取って購入したりできます。
工房を率いるのは、台湾工芸分野で「人間国宝」に認定された名匠の厳さん。2023年9月には東京・日本橋の誠品生活で開催された台湾工芸品イベントにも参加した経験を持つ、まさに実力派の職人です。

実は台湾には200種類以上のバナナがあると言われていますが、この工房では食用として最も多く栽培される「北蕉(ほくしょう)」の幹から繊維を抽出。果肉は濃厚でねっとりした味わいですが、幹の繊維はやわらかく丈夫で、バッグや小物作りにぴったりなんだそう。栽培から糸作り、工芸品の完成まで、すべて自分たちの手で行うため、一つひとつの作品に多くの時間と手間が注がれています。
20分150~200元ほどで作れるバナナの繊維を使った小物作りなどの体験も行っているそうなので、次回はゆっくり時間をとって見学に行きたいと思っています。
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14.那都蘭工作坊(秀林)

花蓮県秀林郷にある「那都蘭工作坊(ナドゥラン工作室)」は、タロコ族の伝統織布文化を守り、現代に伝える工房です。創設者の胡秀蘭(フー・シウラン)さんは16歳から織布を学び、太魯閣族の伝統模様や技法を現代の生活用品に取り入れた美しい作品を生み出しています。
作品に使用されている織布は工房の庭で栽培された苧麻(カラムシ)から作られたというのには驚き。伝統と手仕事のぬくもりを感じることができます。

予約制で、日本語でのワークショップ参加も可能なため、初心者でも安心して体験できます。単に作品を作るだけでなく、伝統文化の背景や技法に触れることができる貴重な機会。花蓮の旅で原住民族の文化を深く知りたい方には、ぜひ訪れてほしい工房です。
▶もっと詳しく見る【台湾原住民族を学ぼう⑤】タロコ族の基礎知識とおすすめ体験スポット
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15.太平洋南島聯合豐年節(市内)

最後にぜひ紹介したいのが、毎年7月頃に花蓮市内の花蓮県徳興運動場横の大草原にて3日間にわたり繰り広げられる原住民族の祭典「太平洋南島聯合豐年節」。
花蓮に住む原住民6族(アミ族、タロコ族、セデック族、ブヌン族、サキザヤ族、クバラン族)の伝統文化の発展と継承のために企画され、すでに国内外からも多くの人が参加する台湾原住民族の国際的な観光イベントとなりました。

ステージでは、音楽やダンスに長けたプロのダンサーによる迫力ある演技が繰り広げられ、広場では原住民族グルメエリア、手工芸品展示即売エリア、各原住民族の農産特産品といった様々なブースが壮大な規模で並びます。昨年は2日間行きましたが時間がまったく足りませんでした。
気になった方は来年にむけて公式Facebookをフォローしておきましょう!
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花蓮の気候・ベストシーズン
ベストシーズン

花蓮は南北に長く、東は太平洋、西は3000m級の山々がそびえたつ特殊な地形にあります。
ベストシーズンは12月~4月で、平均気温が18℃と日本に比べると温かく雨が少ない時期です。しかし降水日数は多いです。
一方で、5月~10月は雨の多い時期となります。夏場は気温が30℃以上になりスコールもあるので晴れていても折りたたみの傘は必須です。また、厄介なのが台風。太平洋側ということで台風の影響をモロに受け、今年も大きな台風が度々花蓮を襲い、今まさにその台風によって受けた悲惨な現状を乗り越えようと花蓮の人たちは戦っています。
旅行が決まったら直前まで天気予報をチェックするのを忘れずに! 花蓮に限らず、危機的な悪天候の場合は目的地を変更することも視野に入れておきましょう。
アクセス

花蓮へアクセスする方法は、台湾鉄道・飛行機・バス・自動車の主に4種類。
◆飛行機
台北松山空港 ↔ 花蓮空港 約50分
高雄空港 ↔ 花蓮空港 約1時間
時間がなくできるだけ早く行きたいという方におすすめです。
◆鉄道
台北駅 ↔ 花蓮駅 約2時間半
花蓮駅 ↔ 台東駅 約1時間半
高雄駅 ↔ 花蓮駅 約4時間半
のんびりと車窓からの風景を見ながら鉄道旅も楽しみという方におすすめ。
山側の席をとれば、遠くにそびえ立つ「タロコ渓谷」を、海側なら「清水断壁」を車窓から眺めることもできます。
◆バス
【花蓮バス】花蓮 ↔ 成功(海線1145路線) 約3時間
【鼎東バス】花蓮 ↔ 台東(海線8119路線)約4時間
花蓮や屏東から特定のエリアに向かう場合は、バスが安くて便利。ただし、台北からの直行便はなく、渋滞すると予定より大幅に時間がかかることも。時間に余裕があり交通費を節約したい方におすすめです。
◆自動車
台北 ↔ 花蓮(台9線) 約160km
花蓮 ↔ 台東(台11線) 約170km
高雄 ↔ 花蓮(台11線) 約330km

昨年震災があったときも、その3カ月後に花蓮に行った際に、街で出逢う人たちは私が日本人だと気がついた瞬間に、「花蓮に来てくれてありがとう!」と言って、とても喜んでくださいました。それは一人や二人ではありません。度重なる災害によるイメージダウンで観光客が激減してしまった花蓮に、わざわざ花蓮を目指して人が来ることが、花蓮にいる人にとって大きな喜びにつながるということを感じた瞬間でもありました。
こんなときだからこそ、早く花蓮へ行って応援したいものです。
台湾旅行の行き先に迷われている方は、ぜひ花蓮も候補に入れてみてください。実際に足を運び、花蓮の魅力を体感することで、皆で花蓮を応援し続けることができます。
願天祐花蓮,花蓮加油!
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筆者プロフィール

加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。
現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。
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