台湾最新スポット2025|国家鉄道博物館の見どころガイド

台北

2025年7月31日、台北市信義区に新しく誕生した注目の観光名所『国家鉄道博物館』
ここは、かつて台湾鉄路管理局の最大の修理工場だった「台北機廠」をリノベーションし、台湾の鉄道史と文化をまるごと体感できるスポットとして一般公開が始まりました。(現在一期エリアのみ公開)

長きにわたり台湾の鉄道を支えてきた「台北機廠」は、2013年まで現役で活躍し、2015年には国定古跡に指定された歴史ある建物です。現在はそのうち修復を終えた7棟の建物が公開され、館内では数々の展示を楽しむことができます。

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間近で鉄道が観られる圧巻の展示も!/組立工場にて2025年10月31日までの期間限定公開(左:50EMC307、右:55EMC410)

さらに週末や祝日には、懐かしいディーゼル客車に乗れる特別体験や、期間限定公開の展示、ショップでの限定グッズ販売など、訪れる人を飽きさせない工夫もいっぱい。鉄道好きはもちろん、台北観光の合間に立ち寄る旅行者でも存分に楽しめるスポットになっています。

この記事では、『国家鉄道博物館』の見どころからアクセス方法、チケット情報まで、初めての方にも分かりやすくご紹介します!

7棟の建物とユニークな展示で知る「鉄道の記憶」

現在、『国家鉄道博物館』では、期間限定公開の「組立工場」を含む7つの建物が公開されています。どの建物も、単なる展示ではなく、台湾鉄道の歴史や技術、文化を五感で体感できる見ごたえたっぷりの空間となっています。

組立工場の特別展示(2025年10月31日まで)

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組立工場の特別展示(左:50EMC307、右:55EMC410)

東西168m、南北24m、そして高さ20.4m――圧倒的なスケールの明るく開放的な空間に11両もの機関車や客車と、鉄道の歴史を物語る機具類などを展示。その迫力と存在感は、鉄道ファンはもちろん、初めて訪れる人でも思わず息をのむ必見の空間です。

柴電工場(ディーゼル電気機関車工場)常設展

かつて「台北機廠」でディーゼル車両の整備を担っていた「柴電工場」。修復とリノベーションを経て、現在は『国家鉄道博物館』のメイン展示スペースとして生まれ変わりました。

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柴電工場の外観
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無料エリアで観られる鉄道展示も(SP32865莒光號)

展示は「鉄道動力」「鉄道車両」「古跡と歴史」「保存と修復」の4つのテーマに分かれ、どれも見どころ満載。館内には、丁寧な考証と修復作業を経て蘇った24両もの貴重な車両が並び、迫力ある姿を間近で楽しむことができます。

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S212ディーゼル機関車
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糖鉄375蒸気機関車
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鉄道の裏側を知れる「鉄道動力」エリア
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鉄道の中にも乗車できる「鉄道の車両」エリア(TP32706通勤列車)
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タッチパネルで展示を学べる「古跡と歴史」エリア
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鉄道の修理に使われていた工具「保存と修復」エリア

「古跡と歴史」と「保存と修復」のエリアでは、台湾鉄道の歩みや工場・車両の変遷、整備を支えた技術の数々を紹介。実際に使われた部品や精巧な模型、そして元従業員が大切に守り伝えてきた貴重な資料などが展示されています。

大礼堂

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大礼堂の大ホール(飲食もOK!)
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実際に食べられていた昼食を再現
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再現された厨房も垣間見れます

かつて職員たちが日常生活や余暇を楽しむ重要な場所だった大ホール。「大礼堂の職工生活」現地展では当時の空間を再現し、貴重な古写真とともに、大礼堂の歴史的背景やかつての役割、そして職員たちの思い出が紹介され、当時の職員の生活を体験することができます。

従業員浴場

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職工たちが利用した浴場
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実際に使っていたロッカー

工場で汗を流した職工たちが利用した浴場跡。鉄道を支える人々の生活感が伝わり、来館者に人気のユニークな展示となっています。

総事務室(行政中枢)

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総事務室(公式HPより

当時の工場長室や副工場長室など、重要な役割を果たす「総事務室」。ここでは、国宝級と称される蒸気機関車の修復名人が大切にしていた私物や口述資料が公開されています。台湾鉄道の発展の歴史をより深く知ることができる貴重な展示です。

技工養成所

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技工養成所の外観(公式HPより

鉄道を支えた職人を育てた訓練学校。当時の教材や工具が展示され、技術伝承の重みを感じます。

材料試験所

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親子空間と多機能展覧室

レールや部品の安全を保証するための検査施設「材料試験所」を、現在は親子で遊べるスペースに改装(後に紹介)。

「藍皮ディーゼル客車」乗車体験!

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藍皮ディーゼル客車体験 (公式Instagramより) 

博物館最大の体験が、週末と祝日に運行される「藍皮ディーゼル客車」乗車体験。
かつて台湾の地方路線で使われていた青いディーゼル客車(DR2303またはDR2203)に実際に乗り、館内の線路を往復約650メートル走ります。しかし、チケットは予約制でかなり人気のため事前に要チェックです。
 
所要時間:約10分
発着駅:「鉄博東駅」と「鉄博西駅」
便数:土日祝・1日約10便(10:00〜16:00の間で運行)
料金:大人150元、学生や子どもは割引あり
チケット予約ページはこちら

車両運行中は専門スタッフが車内で音声ガイドサービスを提供し、乗車車両の特色について解説します。
乗車すると名刺サイズの硬券切符が手渡され、旅の記念として持ち帰れるのも人気の理由。子ども連れのファミリーやカップル旅行でも盛り上がる、必見の体験です。

藍皮ディーゼル客車の特徴
車両の前後両端に運転室を備えており、機動性に優れた性能を持っています。単両でも乗客輸送が可能で、かつては台鉄各支線の旅客輸送の主力として活躍していました。1980年代のニューウェーブ映画の萌芽期には頻繁に映画に登場し、映画文化人が故郷への愛情や素朴な田舎の風景を描写する際の代表的な列車として親しまれていました。

レアなグッズが買えるお土産ショップ

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鉄道型のパッケージに入ったお水

館内のショップでは、復刻切符や車両デザインの文具、藍皮号グッズなど、鉄道ファン必見のアイテムが揃います。鉄道だけでなく、もはや台湾好きにはたまらない、マニアックな台北旅行のお土産探しにもぴったりです!

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台湾の各駅のロゴがデザインされたバッグ
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鉄道デザインの可愛い文具
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小物入れも、たまりません!
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思わず記念に持ち帰りたくなるキーホルダー
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あなたの推しは?
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展示だけでなく、リアル駅弁当もちゃんと買えます!

こちらで購入した駅弁当は、広々とした大礼堂の大ホールで休憩がてら食べることもできます。

子供連れでも安心! 無料の遊び場もあり

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親子空間と多機能展覧室

10歳以下のお子さまを対象に、大人と同伴して遊べるスペースも館内に用意されています。(現地予約)
広い館内を歩き疲れてしまったお子さまや、少し気分転換にぜひご活用ください。

対象:0〜10歳の子ども(11歳未満)。必ず保護者(成人)の同伴が必要です。
定員:子どもと保護者を合わせて最大24名
条件:1組の登録人数は最大4人まで(必ず1人以上の子どもと保護者を含むこと)。
環境衛生と安全のため、親子スペースの高床部分に入る際は、保護者は靴を脱ぎ靴下を着用してください。幼児は靴を脱いでください。

開放時間:火曜〜日曜
・第1回 09:40〜11:10
・第2回 11:30〜13:00
・第3回 13:30〜15:00
・第4回 15:30〜17:00
※1人につき1日1回まで

予約方法:
当日、現地での受付予約
1. 開館時間の9:30〜15:30の間に、親子スペース入口にて当日の回を現地で予約してください。子ども1人につき当日1回まで。開始の5〜10分前に入口で受付を行ってください。
2. 定員に限りがあるため、子どもと保護者を合わせて1回あたり最大24名です。登録者が24名を超えた場合は、他の回またはキャンセル待ちをお願いします。
3. 予約した回が始まってから15分経過しても入口で受付をしなかった場合、予約は無効となり、館員がキャンセル待ちの方に案内します。
4. 各回ごとにキャンセル待ちは最大10組まで受付。公平に利用いただくため、1人1日につき最大2回までキャンセル待ち登録可能で、入場できるのは最大1回まで。(すでに本登録した場合、追加で1回のみキャンセル待ち可能)
開始後15分経過しても未到着、または入場後30分以上早く退場した場合、館員が電話で順番にキャンセル待ちの方へ連絡します。ただし体験時間が90分未満となる場合がありますのでご了承ください。

公式HP


以上、車両や工場跡だけでなく、職人たちの技や暮らし、実際に走る「藍皮ディーゼル客車」まで、五感を使って鉄道の歴史を体感できる『国家鉄道博物館』の見どころをたっぷり紹介しました。

展示を見て学ぶだけでなく、歩き、触れ、乗ってみることで、単なる「鉄道の記録」ではなく「人と鉄道が紡いだ物語」に触れられるのが大きな魅力です。

さあ、次回の台湾旅では、あなたも『国家鉄道博物館』にふらっと足を運んでみませんか?
鉄道ファンはもちろん、台北観光の合間に立ち寄る旅行者や家族連れでも十分に楽しめること請け合いです。

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私の推し! R24ディーゼル機関車

利用案内|料金・時間・アクセス

名称:国家鉄道博物館
住所:台北市信義区市民大道五段50号 地図
開館時間:火曜日~日曜日
9:30〜17:00(チケット販売は16:30まで)
入館料:大人100元/学生・65歳以上50元/団体80元/6歳未満&障害者は無料
休館日:月曜日(※国定祝日は開館)
※旧正月などの特別休日については、公式HPの最新情報をご確認ください。
☟詳細は公式サイトをご確認ください☟
https://www.nrm.gov.tw/default.aspx

アクセス:
MRT南京三民駅から徒歩約10分
MRT市政府駅・国父紀念館駅から徒歩約15分
台北駅からタクシーで約18分(250〜300元)
※駐車場はないため公共交通の利用がおすすめです。

記事執筆:加賀ま波 (MAHA)

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筆者プロフィール

加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。

2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。
現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。HP・通販Instagram

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