日本の大学に通うと、たいてい必修として設定されている第二外国語の授業。そして、たいてい習得もせずに忘れますよね……(笑)
ただ、考えてみると外国語の専門家から授業を無料(学費内)で受けられるなんてなかなかない貴重な機会です!
「外国語が話せるようになりたいな~」と思っている高校生・大学生こそ、この思う存分学べる期間と環境を最大限に活用すべきです。
【私の台湾華語勉強法シリーズ・学生留学編】で、お話を聞いたのは、日本の大学で台湾政治について研究する大学4年生のメイメイさん。
大学4年生にしてすでに中国語・台湾華語学習歴8年目!HSK6級を取得しています!
高校、大学、そして交換留学など、さまざまな教育の場で言語を学んできたメイメイさんに、学習法やモチベーションについてお話をうかがいました。
大学進学を悩んでいる高校生から、台湾留学に興味のある大学生、そして親御さんたちまで、読めばきっと参考になる経験談やアドバイスが詰まっています!
▶【台湾華語勉強法・社会人編】はこちら

―― メイメイさんについて教えてください
現在、日本の大学に通っており、ゼミで台湾政治について研究しています。台湾の言語や社会について学びたいと思い、大学選択をしたため、入学後は中国語を専攻しながら、大学3年生のときに台湾へ1年間交換留学をしました。
―― 高校生の時点ですでに台湾に関心があったのですね!
はい、高校1年生のときの第二外国語選択がきっかけです。当時選んだ理由としては、同じ漢字でも日本語とは違う読み方をする中国語に興味をもったからです。
高校2年生にあがる直前の春休みに、1週間の台湾研修に参加しました。台湾について全く知らなかったため、観光地としての魅力に惹きつけられました。また、台湾では日本語をよく見かけましたが、日本では台湾や台湾華語の認知度が低いことに気づき、その差が心に残りました。そこで、まずは自分が台湾について学びたいと思うようになったんです。
―― ほかの教科や授業もあるなかで、高校・大学と言語の勉強を続けていくのは難しかったと思いますが、何かモチベーションになっていたものはありますか?
高校生の時や大学入学直後は、好きなアーティストの存在や台湾にまた行きたいという気持ちがモチベーションになっていました。留学に行ってからは、観光客としてではなく、台湾に住む人たちと同じ目線で台湾のさまざまな側面について知りたくなり、それが言語学習へとつながりました。

―― 大学では中国語を専攻されたとのことですが、どのような勉強をしたのですか?
大学1、2年時には週に5コマ中国語の授業がありました。日々授業の予習や復習、テストや暗唱チェックがあり、言語の基礎となる文法や語彙の定着に効果的でした。3年生以降はビジネス中国語等の授業を受講することで、新たな語彙を習得できました。
―― すごい量の授業ですね…… 大学外では何か勉強をしていましたか?
色々中国語・台湾華語に触れる機会をつくったのですが、会話力の強化のために、留学生と1対1で交流していました。相手も日本語を学んでいるため、日本人が間違いやすいポイントを的確に指摘してくれました。自分も教える側になるので、双方向の学習となり、心理的負担も軽減されると思います。
ほかに、リスニング力アップにつながるディクテーションの教材としては、ポッドキャストを使っていました。おすすめは、現在は更新されていないのですが、「日常中文 Daily Mandarin」です。終始台湾華語なのですが、ゆっくりで聞きやすいです。私の勉強法としては基本的に聞き流し、スクリプトを確認できるときはしつつ、スクリプトがない場合は聞き取れなかった部分を台湾人の友達に聞かせて教えてもらっていました。
▶日常中文 Daily Mandarin – Podcast on Firstory
あとは、「HelloTalk」という言語交換アプリもおすすめです。高校3年生の時から使い始め、特に留学前の日本にいるときに使っていました。日常生活で使う単語を覚えたり、あいづちの方法を学んだりできるのが良かったです。日本にいながらも目標言語の母語話者と出会い、いい友達になれることが魅力だと思います!ただ、危険性もあるので、私はテキストベースでやっていましたし、使い方に気をつけることが大事だと思います。
▶HelloTalk – Language Exchange – Learn Languages for Free
―― 高校生の時から7年以上、中国語・台湾華語を学習されていますが、続けるコツはありますか?
振り返ってみると、小さな目標を立ててきました。暗唱コンクールに挑戦したり、留学を決意したり…。それが継続的な学習の意欲につながりました。
また、自分の負けず嫌いな性格も一つの要因だと思います。母語話者と話すことで、全然話せないことに気がつき、もっと頑張ろうという思いになります。『間違いたくない』っていう気持ちも大きいかもしれません。
―― よく言語学習では『間違いを恥ずかしがらずに!』という言葉を聞きますが、メイメイさんはむしろその反対のことをプラスに活用しているようですね。
そうですね。「赤ちゃんみたいな気持ちでどんどん口に出そう!」と言われても、なかなか簡単にはできないと思うんです。私はやはり間違えると恥ずかしいなって思ってしまいます。なので、できるだけ正確に勉強をしたり、一度間違えたら同じ間違いをしないように心がけたりしています。また、いい友達をつくることで、恐れずに間違えることのできる環境も大事にしています。
―― そんな中で「これは合わなかったな~」という勉強法はありましたか?
人数の多い団体の中で話すことは、私には合いませんでした。大人数は日本や日本語でも苦手なことなので、国や言語が変わっても苦手でした。心理面だけでなく言語学習という点でも、聞き取れなかった際に、大勢だと聞きにくい状態に陥りやすかったです。

―― なるほど……これもまたよく聞く言葉ですが、留学では「とにかく色んな集団に参加して、沢山の人に出会うべし!」という助言がありますが、それがかえってプレッシャーになることもありますよね。
メイメイさんは留学生活中、どのように友達づくり、言語学習をしたのですか?
留学中は寮生活だったため、ほかの留学生と部屋をシェアし、その中で台湾華語を使用していました。また、現地の台湾人学生とは、本科生の授業への参加や台日交流会というサークル活動に参加することで、友達になりました。本科生の授業は難しく、特に最初の頃は聞き取れなかったので、ディクテーションアプリを駆使して文字起こしをしたり、同じ授業をとっている子に教えてもらったりしていました。
―― 留学中、特に思い出に残っているエピソードはありますか?
非常に印象に残っている出来事の一つが台湾の警察署に行ったことです。留学をして3か月が経過したとき、台湾で友達がスマホを失くしたんです。友達は英語も台湾華語も話せなかったため、私が対応し、警察に届け出をしました。怖気付かずに中国語で事情を伝えることができた自分に気づいたとき、大きな喜びと自信になったことを覚えています。

―― 今までのお話からもそうですが、窮地に立たされた経験を自信につなげられたなんて、本当にメイメイさんの芯の強さがうかがえます。
最後にこれから台湾華語を学びたい方や、今勉強中の方に向けてメッセージをお願いします!
ぜひ、自分に合った学びのスタイルを見つけてみてください!
スタイルを見つけるコツとして、私なりに2つのポイントを提示したいと思います。
1つ目は、『誰と学ぶか』ということです。例えば会話練習をする際、台湾人と学ぶのも良いですし、仲の良い日本人や先生と学ぶこともできます。
2つ目は、『どこで学ぶか』です。言語学習においては、現地に行くことも日本で学ぶこともできます。現地か日本かの大きな違いとしては習得速度なため、自分の目的に合わせて選ぶといいと思います。例えば、とにかく言語習得をしたいのなら、長期(1年~)留学や語学学校がおすすめです。一方で、言語学習の過程を楽しみたいのなら、大学の授業や自主学習がおすすめです。
自分が最もモチベーションを保てる環境を見つけることが、台湾華語の習得への近道になると思います。
―― 今回、メイメイさんには日本の学校で中国語を学び、大学在学中に台湾留学をされた台湾華語学習者としてお話を聞いたのですが、台湾に興味のある高校生等へのメッセージはありますか?
私が進学した大学も、台湾への長期留学も、語学だけではなく、台湾の政治や文化を学べることが魅力だと思います。なので、もし大学進学を考えていて、語学以外にも台湾を知りたい!と思うのであれば、語学以外にも力を入れている大学を選ぶのがおすすめです。語学は、人によってあっという間に習得できてしまうものです。そんなときに、私の専門分野は〇〇だからという強みを持っていることはとても自信になります。
※台湾で使用する國語(繁体字で表記する中国語)を「台湾華語」と表記しています。

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