台湾カルフールが「万家福」に改称!台湾のスーパー・量販店業界は新時代へ

ニュース
oplus_2

台湾旅行で一度は目にしたことがある人も多い大型スーパー『家楽福(下記、「カルフール」)』。お土産探しやばらまき用のお菓子、台湾限定の調味料などを購入できる人気スポットですが、この見慣れた看板が2026年7月から姿を消しました。

台湾で量販店・スーパー「カルフール」を運営する統一グループ傘下の康達盛通(こうだせいとう)氏は、2026年6月30日、量販店「家楽福」を「万家福(PROSPERiTY PLAZA)」へ、スーパーマーケット業態を「樂家康(Uni-PROSPERiTY)」へ名称変更すると発表しました。7月1日から順次、新しいブランドへ切り替えが始まっています。

台湾旅行、さいごのお土産探しはやっぱりココ。

台湾カルフールが誕生した背景

「カルフール」はフランス発祥の世界的な大型スーパーです。台湾では1987年に食品大手・統一企業(Uni-President)とフランス・カルフール社の合弁会社として誕生しました。

以来、およそ40年にわたり台湾の量販店を代表する存在として親しまれ、食品から家電、日用品、お土産まで何でも揃う大型店舗として、多くの台湾人だけでなく旅行者にも利用されてきました。

特に近年は台湾土産をまとめて購入できる場所として人気が高く、日本人旅行者にも「台湾に行ったらカルフールへ立ち寄る」という人が少なくありません。

『家楽福』の看板が町から姿を消した理由とは……?!

なぜ「カルフール」の名前がなくなるの?

転機となったのは2022年です。
フランスのカルフール本社が台湾事業の株式売却を決定し、統一企業とコンビニ最大手の統一超商(台湾セブン-イレブン)が買収を実施。2023年に買収が完了したことで、台湾カルフールは完全に台湾資本の企業となりました。

その後、2026年3月には会社名を「康達盛通」へ変更。そして今回、店舗ブランドも刷新されることになりました。「万家福」という新しい名称は、「多くの家庭に幸せや豊かさを届ける」という意味が込められていると考えられ、台湾企業として新たなスタートを印象づけるブランド名となっています。

2025年「大全聯(メガPXマート)」がブランド統合により誕生!

台湾の量販店業界ではブランド再編が加速

今回の名称変更は、カルフールだけの話ではありません。
台湾では近年、量販店・スーパー業界の再編が急速に進んでいます。

2022年にはスーパー最大手の「全聯福利中心(PXマート)」が大型量販店「大潤発(RT-Mart)」を買収。2025年にはブランド統合が完了し、「大全聯(メガPXマート)」として新たなスタートを切りました。
つまり、かつて台湾でよく見かけた海外ブランドの大型スーパーは次々と台湾ブランドへ生まれ変わっているのです。

現在、大型量販店市場では
◆万家福(旧カルフール)
◆大全聯(旧RT-Mart)
◆愛買(a.マート)
◆コストコ(Costco)
が主要プレイヤーとなっています。
特にコストコだけが外資ブランドとして存在感を保ち、台湾企業との競争がますます激しくなっています。

「コストコ(COSTCO)」は積極的に店舗を拡大中!

店舗数は増えている? 減っている?

一方で、業界全体を見ると店舗の整理も進んでいます。
「万家福」を運営する康達盛通は2025年に4店舗を閉店。台北市中心部にあった「愛買忠孝店」も営業を終了しました。

さらに、「大全聯中崙店」も長年の赤字を背景に2026年9月で閉店予定となっています。
大型量販店は郊外型店舗が中心のため、都市部では採算が取りにくくなっていることも背景にあるようです。

その一方で、コストコは積極的に店舗を拡大しています。2026年7月には高雄店が台湾最大規模の店舗として移転オープンし、台中市でも新店舗の計画が進められています。

名前が変わっても「家樂福」の呼び名はしばらく残る?

今回の名称変更で「家樂福」の看板は順次「万家福」へと変わっていきます。しかし、新しい名前が人々の間に定着するまでには、少し時間がかかるかもしれません。
台湾では、ブランド名や店名が変わっても、以前の呼び名がそのまま使われ続けることは珍しくありません。日本でも、すでに名前が変わった商業施設を昔の名称で呼ぶ人がいるように、台湾でもしばらくは「家樂福(カルフール)」という呼び方が日常会話の中に残る可能性があります。
旅行中に地元の人へ道を尋ねる機会があれば、「家樂福(Jiālèfú)」という旧名称を耳にすることもあるかもしれません。しばらくの間は、新旧両方の名称を覚えておくと安心です。

かつて「カルフール」店内で見た〝どこから来たの?〟というアンケート。このお店は韓国・香港が多いようでした。

台湾旅行への影響は?

旅行者にとって最も大きな変化は、「家楽福」という名前が見つからなくなることです。
これまで旅行ガイドやブログで紹介されてきた「家楽福」は、今後は「万家福」という名称に変わります。
ただし、店舗そのものがなくなるわけではなく、多くの店舗ではこれまでと同じように食品、お菓子、お酒、台湾茶、インスタント麺、調味料、雑貨などを購入できます。
台湾旅行中に「カルフールがなくなった?」と驚く人もいるかもしれませんが、看板が変わっただけと考えてよいでしょう。

台湾旅行者にとってカルフールは「最後のお土産スポット」

日本人旅行者にとってカルフールは、単なるスーパーマーケットではありませんでした。
台湾ビールやパイナップルケーキ、ヌガークラッカー、ドライマンゴー、お茶、インスタント麺、調味料など、台湾らしい商品をまとめて購入できる「最後のお土産スポット」として、多くの人に親しまれてきました。
特に大型店舗では商品数が非常に豊富で、商品自体の量も多くバラマキ土産を買うのにはもってこいの場所。コンビニでも台湾土産は購入できますが、「いろいろ比較しながら買い物を楽しみたい」という人にとっては、やはり大型スーパーならではの楽しさがあります。
台北市内では桂林店や重慶店などが旅行者にもよく知られ、帰国前に立ち寄る定番コースになっていました。名称は変わっても、その役割は今後も変わらないと思います!

台湾は「スーパー巡り」が楽しい国

台湾旅行では夜市やコンビニに注目が集まりがちですが、実はスーパーマーケットも現地の暮らしを感じられるおすすめスポットです。
大型スーパーには食料品だけでなく、家電や生活雑貨、文房具、キッチン用品、スーツケース、寝具など、暮らしに必要なものが幅広く揃っています。店舗によってはフードコートやベーカリー、ドラッグストアが併設されていることもあり、休日には家族連れでにぎわうなど、地域の生活に欠かせない存在となっています。
旅行者にとっても、地元の人が普段どんな商品を選び、どんなものを食べているのかを知ることができる絶好の場所です。台湾ならではの調味料やお菓子、新商品を眺めるだけでも十分楽しめるため、観光の合間に立ち寄ってみるのもおすすめです。

台湾の小売業は「台湾ブランド」の時代へ

かつて台湾の量販店市場は海外ブランドの存在感が大きい業界でした。しかし近年は台湾企業による買収やブランド統合が相次ぎ、小売業界は大きな転換期を迎えています。
長年親しまれた「家楽福」の名前が消えるのは少し寂しく感じますが、これは台湾資本による新しい時代の幕開けともいえます。

次回台湾を訪れた際には、「万家福」の新しい看板を探しながら、台湾の小売業界の変化もぜひ感じてみてはいかがでしょうか。


筆者プロフィール

加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。

2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。

現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。HP・通販Instagram

タイトルとURLをコピーしました