2026年11月28日(土)、台湾では地方公職人員選挙(日本風に言うと統一地方選挙)、通称「九合一選挙」が行われます。
台湾中央選挙委員会(中選会)の発表によると、今回は約1,965万人の有権者が対象となり、地方公職者1万1,051人を選出する予定です。投票時間は午前8時から午後4時まで(台湾現地時間)です。
これは、2年に一度、台湾全土で多くの候補者が競い合う、大規模な選挙です。では、台湾のニュースで耳にする「九合一選挙」とは、一体どのようなものでしょうか。日本の選挙との違いも交えながら、基本的な仕組みを見ていきましょう。
「九合一」は9種類の地方選挙を同日に実施すること

「九合一(きゅうごういち)」とは、9種類の地方公職選挙を同じ日に実施することを指します。
選出対象には、直轄市長、直轄市議員、県・市長、県・市議員、郷・鎮・市長、郷・鎮・市民代表、直轄市の山地原住民区長・区民代表、村長・里長が含まれます。つまり、一つの役職だけを選ぶのではなく、地方自治を支えるさまざまな公職者を一度に選ぶ仕組みです。
中選会の発表では、今回の選挙は8,906の選挙区に関係し、全国に1万8,244か所の投票所を設置する予定となっています。複数の選挙が同日に行われるため、選挙区や候補者、投票用紙の種類も多くなります。
市長から里長まで、地域を担う役職を選ぶ

九合一選挙では、地域の規模や役割に応じて、さまざまな公職者が選ばれます。例えば、台北市や高雄市などの直轄市では市長と市議員が選出され、県や市でも首長と議員を選びます。市長や県長は自治体の行政を担い、議員は議会で条例や予算などを審議します。
一方、郷・鎮・市長や村長・里長などは、より身近な地域の運営に関わる役職です。台湾の「里」は行政上の地域単位の一つで、街中では里長の事務所や掲示板を見かけることもあります。
日本の自治体制度と似ている部分はあるものの、行政区分や権限がすべて同じというわけではありません。また、直轄市の山地原住民区には、区長や区民代表を選ぶ制度もあります。地域によって選挙の対象となる役職が異なるため、台湾のニュースで公職名が出てきた際には、どの地域の、どの立場の人なのかに注目すると理解しやすくなります。
投票日まで、どのように進むのでしょうか?

選挙は投票日だけで完結するものではありません。中選会が公表した日程によると、候補者登録は8月31日から9月4日まで行われ、10月23日には候補者の番号を決める抽選が実施されました。
11月には候補者名簿の公告や政見発表会などが予定されています。直轄市長選挙の候補者名簿は11月12日、直轄市議員・県市長・県市議員の候補者名簿は11月17日に公告される予定です。
公費による政見発表会も投票日前に実施され、有権者が候補者の主張を知る機会となります。投票と開票は11月28日に行われ、当選者名簿は12月4日に公告される予定です。
同日に行われる全国性公民投票とは?
中選会の公告では、投票日は11月28日、投票時間は午前8時から午後4時までとされています。公民投票の議題はエネルギー政策に関するものであり、賛成・反対それぞれの意見を確認する際には、公式の主文と理由書を分けて読むことが大切です。選挙と公民投票は同日に行われても目的が異なります。台湾のニュースを読むときも、誰を選ぶ話なのか、政策への賛否を問う話なのかを区別すると、内容を整理しやすくなります。
台湾のニュースを理解する手がかりに

台湾の地方選挙は、国のトップを選ぶ総統選挙とは異なり、自治体の行政や議会、地域の運営に関わる公職者を選ぶものです。結果は各地域の行政や政策を考えるうえで重要な情報となります。
また、選挙期間中には候補者のポスターや選挙活動が街中で見られ、普段の台湾旅行とは異なる風景に出会うこともあります。台湾を訪れた際に街角で見かける選挙ポスターや「里長」の看板も、制度を知っていれば違った視点で眺められるでしょう。
九合一選挙という言葉を知ることは、台湾の政治を支持したり批判したりすることとは別に、台湾社会の仕組みを理解するための一歩となります。投票日を迎える前に、選ばれる役職や選挙の流れを押さえておくと、台湾のニュースがより身近に感じられるはずです。
参考・出典
台湾中央選挙委員会(中選会)
115年地方公職人員選舉估選舉人1,965萬人 全台設置1萬8,244處投票所
https://www.cec.gov.tw/central/article/63642
中選會委員會議討論通過115年地方公職人員選舉投票日及工作進行程序表
https://web.cec.gov.tw/central/article/61721
公告全國性公民投票案第22案投票日期、投票起、止時間、編號、主文、理由書
https://web.cec.gov.tw/central/article/64315
※本文は2026年10月29日時点で確認できる公式情報に基づいています。
※選挙の種類によって日程など細かな違いがあるため、詳細を確認する際は中選会や各地方選挙委員会の公式発表を参照しましょう。
記事執筆:加賀ま波 (MAHA)
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