一人旅から家族旅行まで、幅広い世代に人気の渡航先・台湾。治安も良く、初めての海外旅行先としても選ばれる国ですが、旅行の計画を立てる前に注意すべきポイントの一つが「連休シーズン」です。
実は台湾では、日本以上に「大型連休文化」が根強く、年に数回、街全体が一斉に“お休みモード”に入ります。そして2026年は、新たに5つの祝日が認定されたことで、これまで以上に連休が増加。この時期は新幹線や高速道路が大渋滞し、観光地は人であふれ、ホテル料金も急上昇。まさに、日本のゴールデンウィークにも匹敵する“旅行者泣かせ”のシーズンなのです。
この記事では、2026年の台湾「9大連休」をすべて紹介し、それぞれの特徴と旅行者が知っておくべき注意点を詳しく解説します。

2026年 台湾の祝日(出典:風傳媒)
台湾の祝日と9大連休を徹底解説
1. 元旦(1月1日)

台北101の花火大会
台湾でも新年は「元旦」として祝われますが、2026年は連休なしの1日のみ。
実は、旅行者にとっては観光日和。政府機関や銀行など一部は休みになりますが、百貨店や夜市、飲食店は通常営業です。
また、1月1日は孫文(孫中山)が中華民国の初代臨時大総統に就任した日でもあり、台湾では「国のはじまりを祝う日」としての意味も込められています。
【旅行ポイント】
台北101のカウントダウン花火や、各地での年越しイベントは世界的にも有名ですが、会場付近はかなり込み合うため覚悟を。また、元日の朝には各地の寺廟で初詣客が集まるため、人気寺院は早朝に訪れるのがおすすめです。
2. 農暦春節(2月14日〜22日・9連休)

台湾の春節飾り
旧正月にあたる「春節」は、台湾最大の祝日。家族が集まり、店も人も動かなくなるほど。2026年は2月14日〜22日の9連休となり、空港・駅・高速道路は史上最大級の混雑が予想されます。
都市部の商店は休業し、レストランも閉まるところが多い一方、観光地やテーマパークは国内旅行客で大混雑します。
【旅行ポイント】
この時期に訪れる場合は、観光よりも「台湾の年越し文化を体験する旅」として割り切るのが正解。年夜飯(おせち料理)を提供するホテルレストランを事前予約など、閉店リスクを避けるためにも宿泊先周辺の営業状況を確認しておきましょう。
3. 二二八和平紀念日(2月27日〜3月1日・3連休)

二二八和平記念公園
1947年の「二・二八事件」を追悼する日で、台湾にとって歴史的な意味の大きい祝日。全土で追悼式典や展示が行われ、政治色の強いイベントも見られます。
春節後の短い休暇という位置づけで、小旅行を楽しむローカル客が増える時期です。
【旅行ポイント】
台北市内の「二二八和平公園」では式典が開かれ、交通規制がかかることも。観光客はこの周辺を避け、地方都市や自然景観地への旅を計画するとよいでしょう。
4. 児童節・清明節(4月3日〜6日・4連休)

台湾の子供の日「児童節」
「児童節」は、台湾のこどもの日。
日本のお盆にもあたる「清明節」のお墓参りの日が重なるため、家族で郷里に帰る人が多い連休です。交通渋滞や高速鉄道の満席が定番となっています。
「清明節」では祖先を供養するため、多くの人が墓地や宗廟を訪れ、線香の香りが街中に漂います。
【旅行ポイント】
ホテルの予約は早めに。屋外観光には最適な気候ですが、墓参りラッシュによる高速道路の混雑には要注意。都市間移動を避け、1都市滞在型プランが安心です。
5. 労働節(5月1日〜3日・3連休)

働く人に感謝する日「勞動節」
2025年から新たに大型連休として追加された祝日。もともと公務員には適用されていませんでしたが、民間中心に「休もう」という流れが広がっています。春の陽気で気候が良く、台湾全体がリフレッシュムードに包まれます。
【旅行ポイント】
観光地やリゾートは国内客でにぎわう一方、台北などのビジネス街は比較的空いています。都市滞在型の旅やグルメ巡りには最適な時期です。
6. 端午節(6月19日〜21日・3連休)

端午の節句「端午節」
旧暦5月5日にあたる「端午節」は、ドラゴンボートレースと粽(チマキ)が主役の祝日。河川では勇壮なレースが繰り広げられ、街角には粽の香りが漂います。
2026年は6月19日(金)〜21日(日)の3連休で、初夏の行楽シーズンの幕開けです。
【旅行ポイント】
台北・基隆・南投など各地のドラゴンボート大会は必見ですが、会場周辺は大混雑。観覧は午前早めの時間帯がベター。お店やホテルでゆっくりチマキを食べるのもよし。気温も上昇するため、熱中症・日焼け対策を万全に。
7. 中秋節・教師節(9月25日〜28日・4連休)

「中秋節」はBBQ!?
「春節」「端午節」と合わせて台湾の3代節句といわれている「中秋節」。
家族団らんと月見を祝う「中秋節」は、バーベキューの煙が台湾中を覆うほどの国民的行事。月餅を食べるのも習慣で、この時期の旅行なら月餅をお土産にするのもおすすめ。
「教師節」は孔子の誕生日。先生に感謝をする日で、学生たちは先生にプレゼントを用意する文化も。
2026年は「中秋節」と「教師節」が重なり4連休となります。
【旅行ポイント】
この時期はホテル・航空券の価格が急上昇。夜は近所の公園や河川敷で家族がBBQを楽しむため、煙やにおいに敏感な人は宿選びに注意。一方で、月餅や烤肉を味わうには最適なシーズンです。
8. 国慶日(10月9日〜11日・3連休)

桃園での国旗上げ式典(出典:Yahoo!新聞)
台湾建国を祝う「国慶日/雙十節」。台北市では壮大なパレードや花火大会が行われ、街は国旗で彩られます。
この時期は、特に台北では、総統府周辺などで交通規制が行われます。 外国人観光客にも人気が高く、宿泊費も高騰します。人混みではスリなどにも注意しましょう。
【旅行ポイント】
メイン会場の「総統府」周辺は厳重な警備と交通規制が実施されます。イベント見学を希望する場合は、徒歩またはMRTでの移動が必須。事前に交通情報を確認し、航空券やホテルの予約は早めに済ませておくのがおすすめです。
9. 光復節・行憲紀念日(10月24日〜26日、12月25日〜27日・各3連休)
どちらも2026年より新たに加わる祝日。
「光復節」(10月25日)は、日本統治からの復帰を記念する日。戦後史を象徴する日として記念行事が行われます。
「行憲紀念日」(12月25日)は、憲法施行を祝う日。クリスマスと重なるため華やかな雰囲気も同時に楽しめます。
【旅行ポイント】
どちらも政治・文化的色合いが強く、観光需要はやや控えめ。秋から冬への季節の変わり目で、街歩き・グルメ旅に最適な隠れ穴場シーズンです。
台湾旅行で「連休を避ける」べき理由まとめ
【交通混雑】
高速鉄道・バス・航空券が早期に満席。特に連休初日と最終日は大規模な渋滞や遅延が発生します。
【宿泊費高騰】
人気都市では通常の1.5〜2倍まで値上がりすることも。早めの予約が鉄則です。
【店舗休業】
春節期間中は個人商店やローカル食堂が一斉に休業。外食・買い物は事前の情報収集が欠かせません。
【観光地の混雑】
夜市、寺廟、展望台などは行列必至。人気スポットでは観光時間を調整する工夫が必要です。
連休を「避ける」か「楽しむ」かは、旅の目的次第。
確かに、連休中の台湾はどこも人であふれ、移動も一苦労です。しかし一方で、この時期にしか出会えない光景や、現地の人々の息づかいがあります。
ゆっくり台湾旅行を楽しみたいなら、連休の前後やずらした日程がおすすめ。現地の熱気や文化にどっぷり浸りたいなら、祝日ど真ん中をあえて狙うのも面白い選択です。
2026年は例年以上に連休が多く、旅の計画次第で快適さも体験の深さも大きく変わります。スケジュールを立てる前に、まずは「台湾の連休カレンダー」をしっかりチェックし、自分らしい台湾旅をデザインしてみてくださいね。
記事執筆:加賀ま波 (MAHA)
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筆者プロフィール
加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。
2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。
現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。HP・通販/Instagram
