台湾で年に一度の一大行事と言えば、「春節(旧正月)」。街が一気に赤や金に染まり、お正月ムードが高まるこの時期は、台湾らしさを感じられる特別なシーズンです。
ただし、春節は観光イベントというより、台湾の人たちにとって一年でいちばん大切な“家族の時間”。日本の連休とは少し空気感が違い、街の様子や人の動きも大きく変わります。
本記事では、春節を旅行に行くべき時期として紹介するのではなく、「台湾文化を知るための行事」としてわかりやすく解説。台湾の人々が春節に何をして過ごすのか、街はどんな雰囲気になるのか、旅行者が知っておきたい注意点や、この時期ならではの楽しみ方まで、台湾好きの目線で紹介します!
春節とは?台湾における旧正月の位置づけ

春節は旧暦(農暦)の元日を祝う行事で、台湾では一年の始まりとして最も重視されています。
春節は毎年日付が変わりますが、2026年は2月17日(火)が元日です。連休はおおむね2月14日(土)〜2月18日(水)の5日間が中心となる見込みで、企業や職種によってはさらに前後に休みが延びることもあります。
旅行者にとって大事なのは、この時期は台湾全土で人々が帰省や団らんを優先するため、観光地や交通機関が非常に混雑しやすいという点。またホテルや航空券も早い段階で満室・高価格になりがちです。計画は早めに立てるのが吉です。
春節前の台湾|準備と街の変化

春節が近づくと、街の雰囲気は大きく変わります。市場やスーパーには春節用の食材やギフトが並び、家々では大掃除が行われます。これは「古い運気を払い、新しい年を迎える」ための大切な習慣です。
また、赤い紙に縁起の良い言葉を書いた「春聯(しゅんれん)」を玄関やリビングに貼る家庭も多く、門松代わりの飾りや縁起物を置く家庭も多いです。そのため街全体が赤と金を基調とした華やかな装いになります。
旅行者であれば、その台湾ならではの特別な空気感を味わえるほか、各店がこぞって販売をする春節限定の商品を特別なお土産として持ち帰ることもこの時期の楽しみ方の一つです。
台湾の人々は春節をどう過ごす?

台湾の春節は、にぎやかな観光シーズンというよりも、「家族に帰る時間」という意味合いがとても強い行事です。一年で最も大切にされているのが、大晦日の夜に行われる「年夜飯(ニエイエファン)」。実家に家族や親戚が集まり、円卓を囲んでごちそうを食べながら、一年を無事に過ごせたことに感謝します。仕事や学校で離れて暮らしていても、この日のために帰省する人が多く、台湾全土が帰省モードに包まれます。
元日には、親族や目上の人の家を訪ねて新年の挨拶をしたり、運気アップを願って寺院へ参拝したりするのが定番の過ごし方。一方で、個人商店やローカル食堂、商業施設の多くは数日間休業します。台湾では今も「春節は家族と過ごすもの」という価値観が大切にされており、街全体がゆったりと静かな時間へと切り替わるのが、この時期ならではの特徴です。
春節の食文化|縁起を担ぐ料理たち

春節の料理には、それぞれ意味があります。
餃子:富や繁栄を象徴する形状から縁起が良いとされる。
魚料理:魚の名前「魚=余(余る)」の発音から、豊かさを願う意味に。
年糕(ニェンガオ):年々高く、より良い年を願う象徴。
春巻:金の延べ棒を連想し、財運を呼び込む縁起物。
また、旧正月の終盤には湯圓(タンユェン)と呼ばれる甘い団子を食べ、家族の団らんや円満を祈る文化も見られます。味だけでなく、言葉遊びや象徴性を大切にするのが台湾の食文化。
この時期、スーパーやデパ地下には春節限定の食材や詰め合わせギフトが並び、見て歩くだけでも季節感を楽しめます。
春節中の街の雰囲気と旅行者が感じること

春節期間中の台湾は、普段とは違う静けさと温かさがあります。都市部でも人通りが少なくなり、夜市やローカル食堂が休業することも。
一方で、寺院では参拝客でにぎわい、赤い装飾や線香の香りが春節ならではの空気をつくり出します。観光地を巡るというより、「台湾の時間の流れを感じる」期間といえます。
春節限定で楽しめるもの

春節ならではの楽しみとして、以下のような体験があります。
・春節限定パッケージのお菓子やギフト
・赤い封筒「紅包(ホンバオ)」文化
・縁起物グッズや装飾品
・寺院での新年祈願やおみくじ
特に雑貨店や書店では、春節限定デザインの商品が並び、台湾らしい季節感を感じられます。
旅行者が知っておくべき注意点
春節期間の台湾旅行では、以下の点に注意が必要です。
◆個人経営の店や飲食店は休業しやすい
→主要都市の百貨店やチェーン店は営業している場合が多いですが、事前に要チェック!
◆長距離交通機関は混雑し、予約必須
→チケットやホテルは早期予約を心がける。
◆営業時間が通常と異なる場合が多い
→グーグルマップの表示よりも、直接電話で確認or SNSの最新情報が安心!
どうしても行きたいお店がある場合、FacebookやInstagramのアカウントがあれば、メッセンジャーやDMを送って営業時間を確認してみるのが最善策です。
春節を楽しむための旅のヒント

◆旧正月直前&後半の観光を狙う
→ 前後の日程をうまく使えば混雑回避とイベント体験の両方を楽しめます。
◆夜市やローカル市場を散策
→ 春節らしい食体験を堪能できます。
◆寺院や伝統文化スポットを訪問
→ 春節ならではの願掛けや文化理解に最適です。
台湾で人気の春節イベント

◆夜市での春節イベント
多くの夜市では春節特有の屋台や縁起物の販売が行われ、普段とは異なるお正月の雰囲気が味わえます。台北の士林夜市や饒河夜市では、地元ならではの食べ物や新年特別メニューも楽しめます。
◆ランタン・願いの灯り
元宵節(旧正月から15日目)には、台湾北部・平渓地区などでランタンイベントが開催され、多くの人が空に願いを書いたランタンを放つ光景が有名です。
▶【2026最新】台湾・春節の二大ランタン祭り完全ガイド「平渓の天燈節」「嘉義の台灣燈會」
台湾春節は旅の新しい魅力
春節は、台湾の人々にとって「日常の延長」であり、文化と価値観が最も色濃く表れる時間です。にぎやかなイベントを期待するとギャップを感じるかもしれませんが、街の静けさや家族を大切にする姿勢に触れることで、台湾という社会の奥行きが見えてきます。
春節を知ることは、台湾をより深く理解する第一歩。旅のタイミングに関わらず、ぜひ知っておきたい台湾文化のひとつです。
記事執筆:加賀ま波 (MAHA)
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筆者プロフィール
加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。
2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。
現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。HP・通販/Instagram

