「台湾はいつ訪れても楽しい」とよく言われますが、その理由のひとつが、一年を通して楽しめるイベントや行事の多さにあります。台湾では今も旧暦(農暦)が人々の暮らしや信仰と深く結びついており、祝祭日や宗教行事は“特別な催し”というより、日常の延長として自然に行われています。
街を歩けば、ふらっと立ち寄れる寺院の参拝風景があったり、春節や国慶節といった伝統行事で街全体がにぎわうことも。近年では、音楽フェスやカルチャーイベントなど、若い世代を中心に盛り上がる新しい催しも増えています。旅行のタイミングを少し合わせるだけで、観光だけでは見えにくい「台湾らしい時間の流れ」や人々の価値観に触れられるのも魅力です。
本記事では、2026年に台湾旅行を予定している方に向けて、年間を通して注目したい代表的なイベントを10個厳選してご紹介。文化的な背景や見どころ、旅の際に知っておきたいポイントも交えながら、台湾をより深く楽しむヒントをお届けします!
① 春節(旧正月)|台湾最大の祝祭シーズン

時期:例年1月下旬〜2月中旬
(2026年は、2月17日)
春節は、台湾において一年で最も重要な祝日です。
日本の正月以上に「家族と過ごすこと」が重視され、帰省ラッシュが起こり、街の空気そのものが大きく変わります。
街中は赤を基調とした装飾や春聯(縁起の良い言葉を書いた貼り紙)で彩られ、寺院では一年の安泰を願う参拝客で賑わいます。年越し前夜(除夕)には家族全員で食卓を囲むのが一般的で、この日は多くの店が閉まります。
一方で、春節期間中は注意点も多い時期です。ローカル食堂や個人商店、市場は休業することが多く、交通機関や観光地も混雑します。
ただし近年は、大型ショッピングモール、主要観光スポット、ホテル併設レストランなどは通常営業、もしくは短縮営業するケースが増えており、「春節の雰囲気そのものを体験したい人」にとっては、非常に貴重な滞在時期でもあります。
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② 平渓天燈節(天燈上げ)|願いを空へ放つ幻想的な夜

時期:例年2月(旧暦1月15日・元宵節前後)
(2026年は、3月3日を予定)
新北市・平渓で行われる天燈節は、台湾を代表する行事のひとつ。
参加者は天燈(ランタン)に願い事を書き、夜空へと放ちます。
無数の天燈がゆっくりと空へ昇っていく光景は、世界中のメディアで紹介され、「一生に一度は見たい台湾の風景」として知られています。
もともとは山間部で災厄を知らせるための合図が起源とされ、現在では願掛けと祈りの象徴として定着しました。
当日は非常に混雑し、交通規制、入場制限、整理券配布が行われることもあります。
個人での移動が不安な方は、初訪問の場合はツアー利用がおすすめです。
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③ 台灣燈會(台湾ランタンフェスティバル)|国家級の光の祭典

時期:例年2月下旬〜3月頃 ※開催都市は毎年異なる
(2026年は、3月3日~3月15日に嘉義で開催予定)
台灣燈會は、台湾政府(交通部観光署)主導で行われる、台湾最大級のランタンイベントです。
毎年開催地が変わるため、訪れる都市によってまったく異なる景観とテーマを楽しめるのが特徴。
巨大なメインランタンを中心に、プロジェクションマッピング、デジタルアートなど最新技術を取り入れた演出が並び、街全体が夜のアート空間に変わります。
平渓天燈節が「参加型」であるのに対し、台灣燈會は「鑑賞型の総合芸術イベント」と言えるでしょう。
④ 大甲媽祖遶境|台湾最大級の宗教巡礼

時期:例年3月〜4月(約9日間)
(2026年の開催時期未定)
台中市の大甲鎮瀾宮から出発し、数百キロを巡る媽祖遶境は、台湾最大規模の宗教行事です。
媽祖は海の女神として信仰され、航海安全や人々の生活を守る存在とされています。
行列は昼夜を問わず進み、爆竹の音、太鼓、信徒たちの祈りが街を包み込みます。
信者でなくても自由に見学でき、台湾の信仰文化のエネルギーを体感できる貴重な機会です。
日程やルートは毎年異なり、参加ルールや心構えなど事前確認は必須です。
⑤ 端午節|ドラゴンボートと粽

時期:例年6月頃(旧暦5月5日)
(2026年は6月19日に開催予定)
端午節(端午の節句)は、台湾で広く親しまれている伝統的な祝日で、勇壮なドラゴンボートレースが行われることで知られています。台北、高雄、台中など各地の河川や港では、色鮮やかな龍の装飾を施したボートが太鼓のリズムに合わせて一斉に漕ぎ出し、会場は大きな歓声と熱気に包まれます。
また、端午節に欠かせない食べ物が「粽(ちまき)」です。この時期になると、街中の市場や屋台、専門店で粽が並び、家庭でも手作りされます。台湾の粽は地域差が大きく、北部では醤油味をベースに具材を混ぜて炊き上げるのに対し、南部ではもち米に具を包んで蒸すスタイルが主流です。ひとつの行事を通して、台湾ならではの食文化と地域性を味わえるのも、端午節の大きな魅力といえるでしょう。
⑥ 夏のカルチャーイベント|音楽と台湾原住民族

時期:例年4月〜9月
台湾では春から夏にかけて、音楽フェスやカルチャーイベントが数多く開催されます。
台北や高雄を中心に、海外アーティストが参加する大型フェスも多く、アジア屈指の音楽シーンを体感できます。
また、中でも台湾文化を深く体験するのにおすすめのイベントが、花蓮市内で開催される台湾原住民の豊年祭イベント「花蓮県原住民族連合豊年祭」。
花蓮県政府が主催するこの大規模なイベントは、毎年7月に3日間、花蓮県徳興運動場横の大草原で開催されます。ステージでは、花蓮に暮らすアミ族、サキザヤ族、タロコ族、セデック族、ブヌン族、クバラン族の6つの民族が一堂に会し、歌や踊りを披露します。さらに、会場には台湾グルメや原住民料理、手作りの工芸品などが並ぶ屋台も充実しており、毎年多くの観光客でにぎわいます。
春から夏にかけては、イベントも多く、台湾の音楽や台湾カルチャーを楽しみたい人には最適な時期です。野外イベントに参加する際は、暑さ対策を万全に臨みましょう!
⑦ 中元節(鬼月)|台湾独自の信仰文化

時期:例年8月頃(旧暦7月)
(2026年は8月27日)
旧暦7月は台湾で「鬼月(グイユエ)」と呼ばれ、この世とあの世の境が一時的に近づき、先祖や無縁仏の霊が戻ってくると考えられています。
中元節は、その霊たちを供養し、感謝と鎮魂の気持ちを捧げる重要な行事です。各家庭や会社では、供物を並べてお線香をあげ、紙銭(冥銭)を焚いて霊をもてなします。
なかでも有名なのが、100年以上の歴史をもつ基隆中元祭。水灯流しや行列、放水灯儀式などが行われ、幻想的で厳かな雰囲気に包まれます。一方で鬼月の期間中は、結婚式や引っ越し、大きな契約を避けるなど、日常生活にも独特の慣習が根づいています。
中元節は、台湾人の死生観や「見えない存在」と共に生きる価値観を深く知ることができる、台湾ならではの文化行事です。
⑧ 中秋節|月とバーベキューを楽しむ夜

時期:例年9月〜10月
(2026年は9月25日)
中秋節は、旧暦8月15日に行われる台湾の三大節句のひとつで、「月を愛で、家族の団らんを大切にする日」とされています。台湾では満月が「円満」や「再会」の象徴とされ、離れて暮らす家族や親戚が集まる大切な節目でもあります。
また、台湾の中秋節ならではの風景といえば、屋外でのバーベキュー。もともとは月餅や柚子を供えて月を眺める静かな行事でしたが、1990年代の食品CMをきっかけにBBQ文化が定着。今では街角やベランダ、公園など至るところから香ばしい匂いが漂い、近所同士が声をかけ合う温かな光景が広がります。
この時期は、定番の月餅に加え、パイナップルケーキの限定味や秋仕様のスイーツも多数登場。月を眺めながら食事を楽しむ中秋節は、台湾の人情味と現代的なライフスタイルが融合した、台湾らしさを実感できる行事です。
⑨ 国慶日(雙十節)|台湾の建国記念日

時期:10月10日
国慶日(雙十節/そうじゅうせつ)は、1911年10月10日の辛亥革命を起点とする中華民国の建国を記念する台湾の祝日です。「雙十」という名称は、10が重なる日であることに由来し、台湾において最も象徴的な国家的行事のひとつとされています。
毎年台北では、総統府周辺を中心に国慶大会・パレード・軍楽隊演奏・航空機の展示飛行などが行われ、会場や街中は赤・青・白の国旗で華やかに彩られます。夜には花火や記念イベントが開催されることもあり、祝祭感あふれる一日となります。
一方で旧正月ほどの大規模な移動は少なく、店舗や観光施設も通常営業が多いため、旅行者にとっては比較的過ごしやすい祝日です。台湾の近代史やアイデンティティを感じながら、式典見学と観光を無理なく両立できる点も、国慶日ならではの魅力といえるでしょう。
⑩ 年末カウントダウン|台北101の花火

時期:12月31日
台湾の年末を象徴する一大イベントが、台北101で行われる年越しカウントダウン花火です。
高さ508メートルの超高層ビルから放たれる花火は、毎年テーマ性のある演出が施され、音楽・光・映像が融合した壮大なショーとして世界的にも高い評価を受けています。アジア屈指の年越し花火として、国内外から多くの観客が集まります。
花火は例年約5分間にわたり、環境配慮型の花火やLED演出が取り入れられるのも近年の特徴です。観賞スポットは台北101周辺だけでなく、象山エリアや河川敷、公園など市内各所に点在し、場所によって異なる雰囲気を楽しめます。
また、この時期の台北ではライブイベントや屋台、深夜営業の飲食店も多く、寒さが比較的穏やかな気候の中で年越しを迎えられるのも魅力。台北101の花火は、台湾らしい開放感と都市のエネルギーを体感できる、特別な年末行事です。
台湾ならではのイベント・行事に合わせた旅を楽しむ
台湾の旅をより印象深いものにしてくれるのが、季節や信仰、生活文化と深く結びついた数々のイベントや行事です。春節や中秋節のような伝統行事から、国慶日や年末カウントダウンといった現代的な催しまで、台湾では一年を通して“人の想い”が感じられる時間が流れています。
確かに、人気イベント時期は混雑や宿泊費の高騰、交通規制などの注意点もありますが、開催日程や地域の特徴を事前に把握しておけば、旅の満足度は格段に高まります。
2026年の台湾旅行は、ぜひ「行きたい場所」だけでなく、「参加したいイベント・行事」という視点を加えて計画してみてください。その土地ならではの空気、人との距離感、何気ない日常の温かさに触れることで、台湾の魅力はきっと想像以上に深く、心に残るものになること請け合いです。

記事執筆:加賀ま波 (MAHA)
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筆者プロフィール
加賀ま波(MAHA)
台湾大好きライター│ハンドメイド作家
著書に『台湾を自動車で巡る。台湾レンタカー利用完全ガイド』(なりなれ社/KKday・budget協賛)、『慢慢來 あの日の台湾210days』(想創台湾)がある。
2011年、はじめての台湾旅行中に東日本大震災が発生。台湾から見た日本の情景と、自分自身の台湾への無知さとの乖離に違和感を感じ「台湾をもっと知りたい」と思うようになる。同年、嘉義県大林のボランティア活動に参加し、台湾人の温かいおもてなしとキテレツな文化に触れ、帰国後もずっと台湾のことが頭から離れなくなる。その後も渡台を繰り返し、2021年のコロナ禍にワーキングホリデーと留学の夢を叶える。
現在は、美麗(メイリー)!台湾の専属ライターとして、取材執筆、SNS運営、イベント運営などを担当。個人の活動では「想創Taiwan」というブランドを展開、原住民レースなどでオリジナル雑貨を創作し日本各地の台湾関連イベントで販売中。HP・通販/Instagram


